青い山脈(1963)

劇場公開日:

解説

石坂洋次郎原作“青い山脈”を「河のほとりで」の井手俊郎と「若い人(1962)」を監督した西河克己が共同で脚色、西河が監督した青春もの。撮影もコンビの萩原憲治。

1963年製作/99分/日本
原題または英題:Beyond the Green Hills
配給:日活
劇場公開日:1963年1月3日

ストーリー

城下町にあるこの女子高校に転校してきた寺沢新子はちょっと変っていた。前の学校で恋愛問題を起して退学になったのだという噂もとんでいた。が、新子は級友たちの反感の渦の中でも少しも悪びれなかった。ある日、英語教師の島崎雪子の所に新子が一通のラブレターを持って来た。これはクラスの誰かのいたずらだ、と新子にいわれてみれば、誤字だらけの文章はどうみても大学生の手紙ではない。雪子は丁度そこに来合わせた校医の沼田に相談した。徹底的に究明しようといきりたつ雪子に、沼田は事を荒立てるなと忠告した。ひそかに雪子を愛する彼は、彼女がいつまでも前向きの姿勢でいることを危ぶんでいたのだった。数日後、雪子はとうとうラブレターの一件を生徒たちに切り出したが、強い反撃にあった。犯人は松山浅子と分ったものの新子が男の子とキスをしたという発言があって教室は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。そのあとの休み時間に、丘に連れ出し気分を晴らすように踊りながら話を聞く雪子に、新子は事件が誤解であることを訴えた。翌日、新子はキス事件の相手として騒がれている六助と出逢った。話を聞いて目を丸くした六助と親友のガンさん。二人とも進歩的な青年をもって任じているだけあって、大いに新子に同情し力を合わせることを約束したが、折も折、三人が街を歩いていると浅子たちがやって来たのでまたまた一騒動である。問題は日毎に大きくなった。父兄たちの反響、ことにPTA会長の井口の怒りを恐れた校長は職員会議を聞いて善処を要望したが、教員の殆んどは雪子の行き過ぎを非難した。ただ、沼田だけが雪子を支持し励ました。井口は雪子と新子、それに沼田の締め出しにかかった。沼田もすぐ雪子、新子それに六助とガンさんを呼んで対策をねった。そしてPTA会議、六助とガンさんも父兄代表に化けてのりこみ断固として井口一派と対決するのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0なぜこの映画を観たのか?

2024年8月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

同名ヒット曲に映画があることを知らなかった。1960年代製作で90分の丁度よさもありセレクト。ところがドッコイとても練られた映画で爽快感が残った。

主演は吉永小百合。
以前観た「光る海」のように、快活でストレートな物言いと、射るような瞳での演技、とてもノッている感がある。
バイクや自転車をノーヘルでグイグイ乗りこなすのだがヒヤヒヤしてしまう。
落ち着いた小百合さんしか知らないので、この活発さは何? のGap感がスゴい。

そして大発見だったのは、南田洋子と芦川いづみがとても美しいことだ。
この両女優に魅入ってしまった。

二人は自然体だけど独特の雰囲気があり、主役に負けない存在感があった。

この映画のハイライトシーン、一つの手紙(ラブレター)を巡って、校長や生徒の親、町内を巻き込んだ役員会議が開かれるのだが、この裁判チックなシーンは本当に聴衆を引き込ませるものだ。

この場面で急に全体のテンポがゆっくりになるのも面白い。
参加者のそれぞれの心境が変化していく様子や展開が読めない先……、裁判ものは最高のエンターテインメントだとつくづく思ってしまう。

PTA長老、左卜全のハリのある声。ここぞの時の発声と抑揚、今あんなふうに話せるヒトいないだろう。

レトロな教室や職員室、舗装されていない道、雑貨商店や俳優陣の衣服など興味深い映像が続く。。
わずか50数年前なのに、この違いよう。
これからの50年後も同様の変化があるのだろう、と想像する。

主な撮影地は彦根城周辺のようだ。
後半の海辺岩礁での「好きだあー」のシーンや自転車で走る海沿いはいったいどこなのか?
彦根以外のロケ地も気になった映画である。

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Karimar

4.0芦川いづみさんにメロメロです

2024年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

芦川いづみさんにメロメロです

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mido

4.0屹立する若さの山脈

2024年6月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

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しゅうへい

3.5【”好きだあ!と最初から素直に言えば良いじゃない。”。封建的恋愛観と新しい恋愛観のぶつかりをコミカルに描いた作品。吉永小百合さんの美しさと共に、芦川いづみさんの美しさにビックリした作品でもある。】

2024年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

■とある女子高校に、恋愛騒動で前の学校を退学になったといううわさの寺沢新子(吉永小百合)が転校してきた。
 しかし彼女は悪びれることなく前向きで明るい女の子。そんな中、新子の元に謎の「ラブレター」が届く。
 さらにはそれが一大騒動に発展する。

◆感想・・・・に余りなってません。

・寺沢新子を演じた吉永小百合さんの美しさと共に、新しい思想を持つ島崎雪子先生を演じた芦川いづみさんの美しさにビックリした作品である。
 慌てて調べたら、「和製オードリー・ヘップバーン」として大人気だったお方だそうである。
 そして旦那さんは、藤達也さんだそうである。ウーム。
 これから、少しづつ鑑賞させて頂こう。

・物語としては、コミカルに進む、特に、新子の元に届いた謎の「ラブレター」をお偉いさんが”一言一句そのまま読みます。”と言って”変しい、変しい。”(恋しい、恋しい。と書きたかったらしい。)というシーンは脳内爆笑である。
ー もう少し、漢字を勉強しようね。封建的恋愛観を持つ女生徒諸君。-

<ラスト、海に向かって新子が六助(浜田光夫)の事が好きよ!と叫ぶシーンや、それに乗じて、沼田先生(二谷英明)が島崎先生にプロポーズし、島崎先生が恥ずかしそうに受けるシーンなどは、可なり恥ずかしいが良かったなあ。>

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NOBU

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