劇場公開日 1989年11月3日

「この時代らしい、奥ゆかしい恋と友情」あ・うん Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この時代らしい、奥ゆかしい恋と友情

2014年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 坂東英二の演技が上手とは思わないのだが、この作品の中で高倉健と対した時には、自分が彼に敵わないと達観しつつも信頼して友情を保つ三枚目役が良く似合っていた。富司純子は秘めた胸のうちを明かすことなく謙虚に貞淑な妻を演じて家庭を守る。健さんと織り成す人間模様が、礼節を持って謙虚に生きる姿と相まって奥ゆかしい。
 しかし、健さんは坂東のその家族への態度はかっこいいが、実は自分の妻をないがしろにし家に帰らず女遊びもする男である。だから彼の妻はかなり不満たらたら。健さんの見せるいい男っぷりは彼の演技でもたらされていて、役柄上の二面性はどうしようもない駄目な部分ということだろうか。だが、そこがあまり描かれていなくて、健さんと坂東家の綺麗なだけの話になっている。そのあたりが何かすっきりしなかった。

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Cape God