あいつと私(1961)のレビュー・感想・評価
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台詞の密度がシン・ゴジラ超え!
確かに石坂洋次郎の話は議論のシーンが多いが、こんなに大量の台詞かつ早口とは。よく舌噛まないな。とにかく男も女も皆一歩も引かぬ議論好き。安保世代はこの程度のコミュ力を当然のように持ち合わせていたのだろうか。とは言っても無神経な男を軽蔑しつつ結局惹かれていく女という構造は昔も今も変わらないんだね。それにしても1960年と言えば高度成長期がやっと歩み出した頃。すでにこんなブルジョアが普通に存在したとは、さすが三田文学。学生時代にあんな車乗り回したかったよ。ところどころ鼻につきつつも何か眩しく憧れてしまうのは裕次郎や芦川いずみたち元祖青春スターの爽やかさの所以なのかな。居並ぶ大女優達の若くて可愛い時代を鑑賞できただけでも儲け物か。
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金持ちお坊ちゃまの道楽三昧
芦川いづみがキレイ
石原裕次郎と芦川いずみの、開放的な交際と行動力が羨ましい
60年安保闘争時代の男女の恋愛と性を直截的な会話で描く
1960年の安保闘争を背景に、若い男女の恋愛と性を直截的な会話で通した世俗的青春映画。但し、中平康の演出が真剣な討論をユーモアと若干のアイロニーで描いているので、独特な味がある。安保問題を深く掘り下げることはなく、当時の流行として扱っているに留まる。ノンポリたちの青春謳歌の日活映画。この時代は、男女平等を唱えるのではなく、自由と平等の社会での新しい男女関係を模索している段階と云えるだろう。戦後の新興ブルジョア家庭の設定から、主人公の実父がアメリカで成功した実業家として登場する後半の展開と、ストーリーは凡庸で、なんとも緩い平和な映画。その中で、妻に頭が上がらないも見返りを求めず尽くす父親を演じた宮口精二のお人よし振りが上手く、いい味が出てます。自由奔放に愛人を作る母役を轟由起子が演じていて面白い。そして何より、芦川いずみの清楚にして溌剌なヒロインがいい。
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