劇場公開日 2007年11月10日

「淡々と"日常"を映し出す」いのちの食べかた keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5淡々と"日常"を映し出す

2012年6月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

「アース」のような世界の絶景や簡単に踏み入ることの出来ない秘境の地では無く、テレンス・マリック作品のようなフィクションによる究極の映画体験でも無い。
ときに残酷で、ときに美しいこの映像群はただ見えないだけの紛れもない世界の日常なのである。
ナレーションも音楽も一切を排し淡々と映し出されるその"日常"の光景に私達は衝撃を受ける。
今やいのちの恩恵を享受するだけに飽きたらず、いのちを操るすべさえ手にいれた人間は果たしてどこへ向かって行くのか…。
いつものように牛の喉を切り開き、いつものように掃除をして仕事を終える人を映しながら作品は静かに幕を閉じる。
作品を観てどう感じたか。
全ての答えは私達ひとりひとりのこれからにあるのだと言うことか。

何十年後、その時の世の中を思いながらもう一度観たい作品だ。

keita