グッド・シェパードのレビュー・感想・評価
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人間ドラマに寄せた方が・・・
CIA創設に係った諜報員の苦悩を描く物語。
ロバート・デ・ニーロ監督、マッド・デイモン、アンジェリーナ・ジョリーが出演する豪華配役のスパイドラマ。史実に基づいた・・・と誤解していましたが、フィクションのようですね。登場人物にモデルになった方はいるようですが・・・
物語は、重厚な人間ドラマ。主人公と同級生の恋と別れ、結婚した女性との冷めた関係、そして息子。
特に、後半にあるマッド・デイモンとアンジェリーナ・ジョリーとの口論が秀逸です。激しく口論した後の静かな間・・・暗く、限りなく深い二人の断絶を感じさせる一瞬の間・・・見応え十分でした。
ただ、スパイ物としては分かり難く見るに堪えません。、エピソードが散逸して芯が通っていないうえ、60年代と40年代を交互に映す手法も分かり難くさに拍車をかけました。
その分かり難い物語を167分見せられるのは苦痛にすら感じました。
もう少し、家族を映した人間ドラマに寄せた方が、映画としての面白さは高まったように思います。
私的評価はやや厳しめです。
力作ですがパンチ不足
実に誠実に丁寧にCIAスパイの苦悩を描いていますが、演出、脚本が緩慢なので、後からあらすじを読まないと理解不能な箇所が散在します。ポイントとなる事実を明示する必要があります。
3時間近い大作ですが演出が平坦なのでドラマチックとサスペンスが感じられません。
せっかくの熱演が惜しまれます。
一見コッポラ的であり、スコセッジ的なのにオスカー候補にもなれず、評価も平凡である理由がそこにあります。
淡々と進み終わった
どこが盛り上がりかはっきりしないまま進み終わったような作品でした
でも面白くない事はなく退屈せずに観れました
CIAはこうして出来上がったのか、なるほどです
タイトルの「The good shepherd」、良き羊飼い、こんな感じでしょうか
ほんと、忠実なる羊飼いでした
家族にも秘密が多く、愛国心とか仕事への責任感でしょうか
日本人だと愛国心より仕事への責任感が多くを占めるのではないかと思います
家族より何よりもCIAを優先する、エドワードのあの選択には驚きました
その妻が私には受け入れられなかったです
出世するであろう高学歴のエドワードを思惑通り手に入れて、結婚したらほっとかれたからって堂々と浮気を告白するし、ないがしろにされたからってキレるし、そもそもエドワードには他に好きな人がいたから仕方ないってって言ってやりたいくらいでした
若い頃のクローバーの真っ赤な口紅が余計に下品な強かな女の人に見えて、元々苦手なアンジェリーナ・ジョリーだからか、とても哀れな嫌な女の人に思えました
主人公の寡黙なエドワードを演じるマット・デイモンは良かったと思います
第二次世界大戦~冷戦初期のかけての激動の時代 ある諜報員の葛藤を描く
本作は革命後のキューバへの上陸作戦を失敗した米国のできごとをモチーフに
CIAの生え抜き諜報員の半生と作戦失敗の要因が解明されるサスペンスである。
感想としては、フィクションとはいえ当時のCIAとKGBの駆け引きや
「心」を捨て、ひたすら「国家の目と耳」に徹する事を命じられたある諜報員の半生と苦悩の描写は大変興味深かった。
ほんとうの事はわからないが、事実は本作のストーリーと似たり寄ったりではないか。
何のための国家なのか?を考えさせらる。
ひたすら暗く地味な「スパイもの」であるが、そのリアルさに心惹かれた。
集中してご覧ください
オープニングが息子で、エンディングが父親につながる。
そして、タイトルは The Good Shepherd。
どうして……? と思ってしまうのだけれども。
彼が何か(誰か)を導いたのだろうか。
国の忠犬として尽くしたがために家族と自分の人生が犠牲になった、としか見えない……。
“グッド・シェパード”とは千昌夫の良き妻のこと・・・(うその情報です)
CIAにはなぜ“the”をつけないんだ?と、いきなり命題を叩きつけられる予告編。“god”に“the”をつける奴なんていないからだよ!・・・ふと気になって、英和辞典で調べてみると、この映画のタイトル“THE GOOD SHEPHERD”そのものがキリスト(忠実な羊飼いだと言ったことから)の意味だと気づきました。“the”が付いてる・・・それはなぞなぞですか?と逆に質問をぶつけたくなってくるタイトルでした。ここでは日本語字幕の一部が“KGB”じゃなくて“KBG”になってたような気がしたことには触れずにおきます。
さて、この映画、ぼんやりと観てたら『ゴッドファーザー』の世界とどこが違うのかわからなくなってきます。信頼と裏切りが交錯するマフィアの世界をCIAや対抗する組織に置き換えたような、ロバート・デ・ニーロだからこそ作り得た映画だったのかもしれません。ちなみに製作総指揮にフランシス・F・コッポラの名前もあるので、これは意図したものだったのでしょう。
国家や組織に忠実な主人公がマット・デイモン。作戦が失敗に終わる現在(といっても1961年)の“ピッグス湾事件”で機密を漏洩したスパイ探しをする時間軸と、彼のイエール大学“スカルズ&ボーンズ”クラブ時代から第二次大戦を通して諜報活動する姿を描く軸が同時進行してゆきます。組織を優先させたがために家族が崩壊してしまう男の世界。不幸な死を遂げた父親の心と、自分の息子に対する思いの比較。史実を充分に調査検証し、リアルなアメリカの裏を描いていました。
興味深いエピソードも多かった。特にアメリカに亡命したがっていたソ連のミロノフ(本物の方)の台詞はよかった。偽の情報を信じさせることがCIAの任務なので、ここのエピソードは信憑性があったと思う。キューバに関することも、CIAが大統領を説得したことだから、どこまでが真実なのかもさっぱりわかりませんが・・・
裏切り者は誰だったんだ?!というミステリアスな部分も楽しめたし、『ゴッドファーザー』のような男の世界も楽しめた。しかし、とにかく長い(167分)。登場人物も多いので、これは誰だっけ?と混乱するかもしれない。そんなときは、「誰も信用するな!」という言葉を思い出して、マット・デイモンだけを信じたほうが良さそうです・・・
【2007年10月映画館にて】
思い直して二回目を観たがやはりつまらなかった
ロバート・デ・ニーロの監督第二作目。
一回目を劇場で見た時は、まずマット・デーモンの無理な老け方と、うまいのか下手なのか分からない演技、そしてアンジェリーナ・ジョリーのこれまた似合わない役柄と微妙な演技にやられ、途中からギブアップ状態。しかもストーリー自体も、いま一つ伝わるものがなく面白くもなく、感動もしなかった。
でも、デ・ニーロだしな。。。監督第一作は良かったんだよな、な~んて事を考え、DVDで見直しました。その結果、やっぱりつまらなかったです。
原因は一目瞭然。
ミスキャスティングとストーリー自体がこだわりすぎかつ肝がないのです。まるで監督自身も突き放してるかのような精巧な物語なんですが、その奥から流れてくるものがない。伝わらないのです。観客の目をあまり意識せずに作ったかのような、ナルシズムのある映画といってもおかしくないでしょう。この映画を観て、コッポラはやはり偉大だったんだな~と思いました。(まだ現役ですが。)
悪くはないんですが・・・
DVDで2週間くらいかけてやっと見たThe Good Shepherd 。なぜ2週間かかったかというと、途中で寝てしまうからです。
マット・デイモン主演、アンジェリーナジョリーとデ・ニーロが共演しています。内容がCIAの黎明期についての映画なのでバイオレンスがきつく、妻と子供は拒否したため、夜中に一人で見たのですが、そのせいもあって途中で寝てしまうのです。結構、面白いんですけど、眠くなります。この映画。監督はデ・ニーロなんですよね。これ。お好きな方はどうぞ。
時系列がわかりにくい
場面ごとに何年のどこの話だと表示されるが主役が年をとったように見えないのでラストになるまで繋がりがわからず面白くなかった。
マット・デイモンはオーシャンズの時のようなへタレが入ってるほうが合ってる気がする。
長く感じてしまうってことは・・・
「ゴッドファーザー」タッチの重厚感のある映画には仕上がっているけど、長いと感じてしまった。退屈とまでは言わないけど、もう少し「興奮」が欲しい。
「ボーン」シリーズでは寡黙な主人公がピッタリはまっているマットだけど、今作ではなんだかぎこちない。眼鏡が似合ってないせいか、息子はどんどん大きくなっていくのに、マットだけは歳をとらずに。アンジーともちょっとミスマッチな感じがした。
悲しいスパイの半生。
1961年、ピッグス湾侵攻作戦が失敗。失敗の原因が、CIA内部からの情報漏れにあると睨まれた。情報漏れの元を探るため、ベテランエージェントのエドワード・ウィルソン(マット・デイモン)に送られた情報を下に様々な調査が行われるが・・・。と、こんな感じだと、スパイアクション満載の、大活劇であるかのように誤解しますが、実際は違います。CIA黎明期、もっと言えば、CIAの前身のOSSの頃からのエドワードの半生を振り返るような話になっています。
元々、エドワードの役は、監督ロバート・デ・ニーロの暴露に依れば、別の俳優にオファーされたらしいのですが、スケジュールが遭わず断念。マット・デイモンにその役は回ってきたそうです。大学生の青年期から、子供が大学生になる頃の年齢まで演じていますが、前半の青年期は良いとして、後半の、壮年期を演じるには、彼はちょっと若すぎるような気がします。同じことは、エドワードの妻クローバーを演じるアンジェリーナ・ジョリーも同様。子供が大学生の母親にしては若すぎます。
実際の出来事を下地にしていますが、微妙にいろんなところが違っています。ワイルド・ビルはサリバン将軍(ロバート・デ・ニーロ)と言う人物になっていますし、CIAの長官はフィリップ・アレン(ウイリアム・ハート)ではなく、有名なアレン・ダレスです。とは言え、それぞれモデルにした人物に、微妙に同じようなところがあるようになっているみたいですが。
イェールのスカル&ボーンズに、結構焦点が当てられていますが、このスカル&ボーンズがアメリカの政財官界に大きな影響を及ぼしているのは、有名な事実。歴代大統領の多くに、メンバーが居り、現在のブッシュ大統領もメンバーであると言われています。それに加え、イギリスでの活動に際し、大学の教授や上流階級の数多くの人間が、情報活動に携わってる描写がなされていますが、これも事実。実際、第二次大戦のとき、イギリスでは、直ぐに役立ちそうな物理・化学を専攻したものだけではなく、歴史学者・数学者も情報活動に対して大量に動員されています。
167分と、非常に長い映画です。しかし、陰湿な情報活動を描いている割には、それほど長いようには感じませんでした。物語の起伏が余り無いので、そう言うのが苦手な人にはダメでしょう。スパイを描いた映画と言うと、ドンドン・パチパチの激しいものが多いですが、これは一線を画す、むしろリアルなスパイ映画と言っていいと思います。
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