イースタン・プロミスのレビュー・感想・評価
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コアな映画ファンにお勧め!
ロードオブザリングを見てヴィゴのファンになり、今年のアカデミー賞にノミネートもされたんで迷わず見に行きました。ヒストリーオブバイオレンスで同じ傾向の役を演じてはいますが、ロードオブザリングのヴィゴと同一人物とはとても思えないダークな役柄。ロシアンマフィアの用心棒を何故ヴィゴが‥‥と思ってたら最後にどんでん返しが。
(ここからネタバレ)
ヴィゴは潜入捜査官だったんですね。ヴィゴは相変わらずクールでカッコいいし、サウナでの乱闘シーンも凄かった。なかなか展開が読めずハラハラドキドキで2時間たっぷり楽しめました。
ヴィゴ・モーテンセンに痺れる。
簡単に凄いとか、強烈とかいう言葉を使いたくはないけど、
素っ裸での格闘シーンは凄くて、強烈。
ロシア人の少女がロンドンの産婦人科で働いている
アンナ(ナオミ・ワッツ)のもとに運び込まれてくる。
出産を終えた直後に少女は命を落としてしまい、赤ちゃんと日記が残され、
アンナはその日記を手掛かりとして少女の家族を見つけ出そうとする。
ロシアン・レストランに辿り着き、
オーナーのセミオン(アーミン・ミューラー=スタール)に出会うが、
セミオンはロシアン・マフィアであり、
息子のキリル(ヴァンサン・カッセル)がおり、
そして、運転手のニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)にも出会う。
デビッド・クローネンバーグ監督で
僕がパッと思い出すのはクラッシュぐらいで、
他の作品はあまり知らないけどグロい描写や、
歪んだ変態な世界を作り上げ、破壊や破滅をイメージする。
そんなイメージをリアルな描写に感じさせるけど、
ストレートな分かりやすいバイオレンスを追求した作品になっていて、
観てないけど前作のヒストリー・オブ・バイオレンスと同じなのかな。
ヒストリー・オブ・バイオレンスと同じく、
ヴィゴ・モーテンセンを起用し、その演技に痺れてしまう。
モロに危険という香りが漂っているが、寡黙であり、セミオンの息子、
どうしようもないキリルに仕えて、運転手と言いつつ、
死体の処理も感情がないように淡々とこなし、
しかし、紳士的な男という一面も感じさせ、神秘的な男を作り上げている。
だからこそ、危険を感じつつも、アンナが興味を持つことに、
惹き付けられることに、説得力がある。
表と裏、全く別の世界で生きている2人を日記が引き合わせ、
アンナの生きてきた真裏のような暴力的な世界の描写が
対比としてリアルに描かれる。実際に死体を扱ったこともないし、
首を掻っ切ったこともないが、これがマフィアだというような、裏切り、
裏切られ、暴力に溢れた世界で、リアルなグロいシーンを挿入し、
相当なリアルさを感じさせ、その辺の美術周りの拘りは、
グロさへの拘りがクローネンバーグらしさなのかな、と思ってしまう。
特にサウナでのヴィゴ・モーテンセンが素っ裸での、
ブラブラさせながらの、格闘シーンは一番の見物で、
相手は武器を持っているが、もちろんニコライは何の武器もなく、
動物の本能を感じさせるような大立ち回りに圧倒される。
それにしてもあいつらは、サウナの前も無防備な状態で襲っていたし、
卑怯すぎて、そこもリアル。
当然アカデミー賞主演男優賞のノミネートは素っ裸での格闘だけでなく、
なまりの強い英語だったり、暴力だけでなく優しさも感じさせるような、
悲哀に満ちた表情だったり、見事ななりきり具合があったからでしょう。
ヴァンサン・カッセルのダメ息子ぶりも面白いし、
ナオミ・ワッツは感情移入しやすく、他の脇役たちも見事と言いたくなる。
ストレートな話運びに、アイツとアイツでくっ付いちゃえばいいのに、
などと思ってしまったが、
売春や人身売買というものが確かにあるんだと感じさせ、
裏の世界を目撃したようで、アンナに共感して、恐ろしさも感じた。
★サウナと黄金★
D・クローネンバーグ監督とV・モーテンセンが再びタッグ!
と聞けばもちろん観たくなるのは当然。ただこれと比べると…
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」は実に観やすかったな^^;
いやもう、最初から喉をスパッ★とかねー。こういうの苦手でx
手に力が入りっぱなしでしたけれど、ロシアンマフィアの生態を
見事に体現しているそうです。ヴィゴは、かなり研究したらしい。
とにかく中盤までは、カッコいいけど怖い、怖いよぉ!の連続で
ずーっとこのままいくんかいな…と手に汗握りまくりでした。。
で!中盤以降。
まずは★見せ場★があるんですけどね、ヴィゴの^^;
(エエ。もちろん見ましたよー!バッチリでぇす。なんちて)
ここからの展開がいいです~!とある映画とソックリですけど?
あーそうだったのか。っていう種明かしがラストにあるのです。
いやー面白い。よく出来ています。まさに興奮のるつぼだ。
観終わってから、かなりの余韻に浸れて語りがいのある作品。
なので、じっくりと丹念に、ヴィゴを観賞していきましょう…!
で、他のキャストも皆さん素晴らしいです。雰囲気アリアリ^^;
マフィアの皆さんは本物志向で(爆)俳優には見えないし、
警部やら、ヒロインの家族までもが、皆さんそれっぽい…(汗)
バイクも見事なもんです。乗りこなすN・ワッツも大したもん♪
V・カッセルの独りバカ野郎役なんて、愚の骨頂なほど絶妙!
たいていボスの息子って、あーいう体たらくなんですよね(爆)
なんかもう、ヴィゴがモテモテ(男女共に)なもんですから~^^;
しかし…。
この「イースタン・プロミス」とは何ぞや。と思ったら、
なんと人身売買のことなんだそうですxxやっぱ怖いじゃん!
でもそう考えると、この題名から内容、雰囲気に至るまで、
手抜きのないクローネンバーグ節が炸裂していたことで、
怖い!だけの感想が、かなりの重厚感を増すから不思議★
とにかくスゴイですよ!それしか言えないな。さすが王です。
(でも自分の日記を訳されるなんて、私はイヤですけどねぇ^^;)
ヴィゴ・モーテンセン最高!
監督はデイビッド・クローネンバーグ。ヴィデオドロームとかスキャナーズとかの古めのホラーからザ・フライ、裸のランチなどカルト好みの映画を撮り続けてきて、しばらくヒットがなかったものの2年前にヒストリー・オブ・バイオレンスで復活(この映画も物凄く面白いです。)した監督。
そして、主演男優はロード・オブ・ザ・リングのアラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンで、前回のヒストリー・・・も素晴らしい演技でしたが、今回のロシアン・マフィア役はもっとすごいです。オスカーノミネートも当たり前!ロシア訛りの英語が(というかヨーロッパ訛りの英語)ビタッとはまっています。それもそのはず、彼、アメリカ生まれだけど長い間、デンマークに住んでいたりアルゼンチンに住んでいたりしたんだそうで・・・。主演女優はナオミ・ワッツですが、こちらはまあ普通?とにかくヴィゴがすごい。サウナ室でのフルチン・アクションも必見。ちんちんぶらぶらです。ボラット以来です。こんなに露骨にちんちん出してるの。お話は、看護師ナオミ・ワッツが働く病院で妊婦が赤ん坊を出産後、死亡。その子の家族探しを始めたところ、裏にはロシアンマフィアが・・・。おすすめ!!
コワーイ!
英国で殺されたロシア人の背後に何があったのか!
を思い起こさせるような恐怖の映画です。
ヴィゴ運転手。暖かさを感じながらも意味深な行動で魅せます。
とくにサウナ風呂でのアクション・シーンは、記憶に残る溢れる恐怖感。
スパッと裂かれる皮膚感、飛び散る血潮。そうロンドンてコワーイ、のです。
米国映画のようなドンパチではありません。じわじわと恐怖心を煽る煽る。
で、もう一度観たくなる余韻も残します。
恐怖の中にも、生れ落ちたベイビーが養女となるのが救い。良い映画となっています。是非是非観て欲しい作品です。
「I am フル○ン」も登場の、とにかく「イタ~イ」映画
<ストーリー>
助産師のアンナの病院に、瀕死の状態で妊娠した少女が運ばれてきた。彼女は助からず、何とか生きて取り出された赤ん坊が残される。少女のカバンの中には日記があり、その中にロシアン・レストランのカードが挟んであった。アンナはそのレストランを訪れるが、少女の身元に繋がるような手掛かりは見つからない。しかしそこの店主が、ロシア語で書かれたその日記を翻訳することを申し出てくれる。
<個人的戯言>
【♪レ~ジ~メ~♪】
冒頭からいきなりの「痛すぎる」バイオレンス・シーン。その後も出てくる暴力シーンはいちいち肉感的で「痛い」。ストーリーは結構平凡ですが、この「痛さ」だけでも一見の価値があります。
前作じゃなくて、こちらに「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のタイトル合っているような・・・
【ぐだぐだ独り言詳細】
とにかく「痛い」です。今までにもこの程度の暴力シーンは観てきたような気はしますが、
最近はホラー映画でも直接的シーンを避けることも多く、
かなりしっかり、ゆっくり見せていることもあるのか、
「痛さ」が倍増してます。擬音でいうなら、
「ギギギギ・・・」
って感じ?(わからんわ・・・)
そして話題の「I am フル○ン」(by うた魂♪)シーンは・・・ヴィゴ・モーテンセン、頑張ってます・・・
ストーリーはいたって平凡。途中で読めちゃいますし、かなり「残念」かも。デヴィッド・クローネンバーグって、私の中では
「スキャナーズ」(未見)
「ヴィデオドローム」(未見)
「デッドゾーン」(未見)
「ザ・フライ」
「戦慄の絆」(未見)
「裸のランチ」
「クラッシュ」(未見。オスカーを獲った群像劇とは別物)
「スパイダー」(未見)
等の、独特で異質なストーリーのイメージでしたが、今作と前作はとてもノーマルな展開で、最近の傾向なのか、単なる私のイメージなのか、とにかく今作に関しても取り立てて書くことはありません。
この映画は一にも二にも「痛さ」を体感する作品です。結構、
「来る、来る、来た~(by 青島刑事それとも山本高広?)!)
って感じで、バレバレだけど「痛い」・・・
痛い、、、。
観ていて貧血を起こすかと思うくらい、ズバズバ斬られるシーンが何度かありました。ヴィゴ演じるニコライが全裸で殺しあうシーンも、フルヌードだということを意識させないほど迫真の演技で、これもまた痛い。
私は、バンバン撃ち合うよりも刃物で切り付けあう方が生々しく感じられ、苦手なので、キツイシーンも多々ありました。
しかしながら一番痛いのは、ニコライのサイボーグのような残忍さのなかに垣間見える、秘めた優しさや愛情です。アンナや赤ん坊や娼婦など命あるものへの深い思いがあるのに、愛することを選ばない無限に続く孤独がとても切なく、胸が痛みました。
悲惨な証跡を日記に残し、14歳で死んだ少女は、すべてを捨てたニコライ自身の少年時代と重なり、上り詰めていく彼の孤独を支え続けていくのだと思います。
ヴィゴ・モーテンセンのフリチンの演技、クローネンバーグ監督の職人技が光るもラストに不満。
ロードオブリングのアラゴルンがスクリーンに帰ってきました!
『イースタン・プロミス』の主演ヴィゴ・モーテンセンは本作で、本年度のアカデミー主演にノミネートされた作品で、その抑制のなかに人間味を漂わせる演技は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ=ルイスと甲乙つけがたいものでした。間違いなくクローネンバーグが新境地を拓いたものといえます。
アラゴルン役のモーテンセンもそうだったけれど、彼の演じるのは役はどれもクール。今回は、そのくせ人助けしてしまうという暖かみも併せ持つという二面性のキャラなんです。
本作の魅力の一番に来るものといえば、モーテンセンの隠された一面が遺憾なく発揮されているということです。
彼の役どころはロンドンに巣くう悪名高きロシアマフィアの組織「法の泥棒」の運転手。誰もが強面を連想するけれど、スクリーンの彼は、ボスの命令に背き、逃がしたり、情報を教えたり、結構人に優しい面を見せます。こいつマフィアにしてはなんかヘンな奴だなと思いきや、やはり裏がありました。その辺の複雑な心理描写を違和感なく表現しているモーテンセンはアカデミー主演にノミネートされるだけの価値ある役者であると思えましたね。
この作品のタイトルは、英国における東欧組織による人身売買契約のことを指します。サウナやマッサージ・パーラーで体を売る約7,000人の娼婦、うち8割の女性は東欧、バルト海沿岸諸国の出身であるとか。そこには東欧の暴力組織が介在しています。英国地元の暴力組織へと商品のように売られる「性の奴隷」の存在を描いているという点で、本質は社会派なのかも知れません。
この作品でも、半ば強制的にウクライナから連れてこされて、薬を打たれたうえレイプされ、あげくの上放り出されて、病院に搬送。子供を生んで息を引き取ってしまう僅か14歳の少女の存在が重く横たわります。
先進国イギリスの首都でもこんな『人心売買』が横行しているんだよ、きれい事では済まされないよともいいだけなショッキングなシーンが続きました。脚本を担当したスタッフは実際に、犯罪者に会うなどリサーチ。ロンドンの裏社会の現実はあまりにもグロテスクで凄まじいものだったそうです。郊外の街角で、当然のように奴隷制が敷かれているのだとか。
その奴隷のひとりとして少女の存在を伏線とし、ロンドンの「闇の権力」ともいうべき、ロシアマフィアの残虐非道な所業をリアルに描くバイオレンス作品となっています。
とにかく連中は人を殺すことを何とも思っていません、たとえ仲間でも、気にくわないと殺してしまいます。
問題は殺しの表現がえぐいこと!
冒頭の仲間のマフィアを殺すシーンでは、床屋で突然のどをかききるシーンかあって、この作品は半端な覚悟で見られないなと示しました。
そして、殺した死体を冷凍にしたあげく、モーテンセン演じるニコライが身元をばれない処理をして河に流します。
この処理というのが、死体の歯を抜き、指を切り落とすこと。これが実にリアルで、見るに耐えられませんでした。この作品、このあとの殺しのシーンは何故かピストルでなくナイフなんです。傷跡も生々しく、剔られていく傷跡に絶句の連続でした。ホントに痛いというほかないシーンが多かったですね。赤ん坊まで殺そうとしたのですから。
特に、ニコライが裏切られて、サウナで全裸で暗殺者と素手で戦うところは、ニコライが負う傷跡が生々しく、緊張の連続でした。ちなみにモーテンセンはフリチンで文字通り体を張って熱演しています。局所も一部見えていました(^^ゞ
そんなおぞましいストーリーに救いをもたらすのがナオミ・ワッツが演じる助産婦のアンナでした。
オープニングでは、ドラックストアでひとりの少女が下半身を血に染めて倒れるところから始まります。少女は、病院に運ばれますが、女の子とを産んだあとに息を引き取ってしまいます。その手術に立ち会ったのがアンナでした。
アンナは少女の所持品のバックから日記を見つけ、赤ん坊のために少女の身元を割り出そうとします。日記には少女の名前とロシアの故郷のことが記された一枚のカードが挟まれていました。「トランスシベリアン」という名前のロシアン・レストランのカードを頼りに、アンナはその店を訪ねることに。
店のオーナーは、少女のことは知らないが、日記があるなら翻訳してあげようと提案します。そのレストランの前でアンナはニコライと出会います。
この出会いが運命的であったことは映画の展開上で分かっていきます。
アンナは何とか赤ちゃんの身元を調べるなど尽力します。その優しさが唯一この作品の息抜きになっていました。
けれども赤ちゃんの存在は意外な方向へ展開。その秘密を巡って、アンナの元にもマフィアの手が迫ってきます。
その中でアンナとニコライの微妙な関係の変化も見所となります。ニコライの人間味に惹かれていくアンナがいだいた疑問は、「あなたは何者?」。アンナが思うのも当然でニコライはも余りにマフィアらしくなく、アンナに優し過ぎました。
やがてニコライは、マフィアの正式な構成員として認められ、星の入れ墨を許されます。マフィアにとってタトゥーは、己の生き様を語り、勲章のようななものでした。例えそれが罠であったとしても・・・。
構成員となったニコライは、ボスの息子と結託して、組織の支配権を手中に収めようとします。
果たしてニコライは、計算高いワルなのか、はたまた正義のヒーローの仮の姿か、バイオレンスに満ちたシーンと共にニコライの真の狙いは何かが明らかになることがこの作品のオチになっていました。
全編を通じてクローネンバーグ監督のスタイリッシュでありながら、いぶし銀のような風格のあるた作品です。ロンドンの街並みがまるでロシアの中にいるような錯覚を感じてしまうのも見所の一つ。
ただラスト時間切れのためか、唐突にストーリーを打ち切りで終えたところに多いに不満を感じました。「そりゃあねぇだろう」とね。
それでもヘビーな映画通には、ぜひお勧めしたい作品です。見応えはありますよ。
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