「多分、脚本読んでも面白くない。」イースタン・プロミス KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
多分、脚本読んでも面白くない。
なんとなく。登場人物のやることに裏がありそうだとかヤバそうだとかいった雰囲気はあるものの脚本で面白く描かれているかというと、描けていなかったと思う。多分、脚本読んだら中盤までは退屈で下手すると、最後まで面白くなかったかもしれない。この映画が面白かったのはまさに演出の妙。配役とか、演技とか。そして写真の美しさのなぜる技だったと思う。美しい写真でもって、客の心をハッとふるわせたり、美しいシーンだと感じいらせたりするには美しい写真ばっかりではダメなんだと思う。この写真で、こう感動させたい・・っていう狙いがあって。そこへ持って行くまでの写真の流れの伏線と言うものが必要だと。この映画を見ていてそういう狙いが、随所に見られ、それが、ことごとく決まっていたように感じた。この映画はそれによって成り立っていた。だから、この映画を映画館で観た人と、テレビモニターで見た人では感動の度合いが全く違うのではないかと思う。もちろん私はプロジェクターで見た。横幅2mで映し出されるキャノンの最高級プロジェクターだ。中古で1万円で買った。
物語は中盤の当りになってやっと主人公の身の回りが危なくなってくる。それでもなぜかまだ話がゆったり進んでる感じがして。それなのに引き込まれて。そして、最後の最後までアクション映画にはならず。かといって文芸作品でもなく。実に美しいまとまりをした映画だった。これこそまさに映画。クローネンバーグの力ですわ。
最近の日本の労働力事情についてちょっと言うと。世界の最先端を突っ走る少子高齢化の影響で外国人労働力が必要となっている。フィリピンやベトナムあたりから大勢、日本に来るようになった。これはよその国の話ではなく、日本でもありえるのだろう。何しろ日本では、会社から脱走する労働者がそこそこ多いから。彼らは犯罪に取り込まれてしまっているよで逮捕されたとかニュースで時たまみかける。それはおそらくブローカーが違法ピンハネしているせいであろう。法がしっかり整備されて、そのようなことがなくなるように願いたい。
