自虐の詩のレビュー・感想・評価
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駄目な奴は駄目なだけ
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親父がヤクザでろくでなしの阿部が中谷と結婚するが、ろくな奴じゃない。
中谷は純粋な性格で可愛らしいが、実は元風俗でその当時は荒れていた。
しかし阿部に一途に惚れられてマトモに戻ったのだった。
しかし結婚後は仕事もせずにタダの最低男になり下がっていた。
そんな時に妊娠、阿部も初心に戻ったのか少しはマトモになろうとする。
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仕事もろくにせん駄目男には、どんな事情があれ感情移入不可能。
子供が出来て少しは初心に戻っても、そんなの一時だけの話やし。
駄目な人間が突発的に何したって、応援もできんし感動もできん。
男は一途なまでに努力を継続して成果を上げて女性を惚れさせるもの。
この映画で得るものは中谷美紀が可愛いことくらいだろう(場)
荒れまくっていた時期も純粋に戻ってからも、とにかく可愛い。
両方ともできるところがこの人の演技力でもあり、魅力なのだろう。
嫌われ松子の一生を思い出した。
役的に化粧が薄かったのか、あえて田舎者を演出したメイクだったのか、
すっぴん風で肌があんまり綺麗じゃなかった。
でもこれくらいの方がむしろ可愛いなと思ったくらいやわ。
幸せ
母親に捨てられ、父親は服役、中学の教材費も払えないほど貧しい生まれの幸江が「幸せ」を求める半生を描いています。
自虐的なコメディなので、確かに不幸感は和らぐのですが、和らぎ過ぎて幸江にはあまり同情が湧きません。熊本さんという悟りを開いているかのような素晴らしい友が居て、自分のために指を詰めてカタギになった男も居て、マスターからは熱烈にプロポーズされ、アパートのおばさんは母親のように親切で、幸江の頭の中では「貧乏=不幸」なのかも知れませんが、観ているこちらは結構幸せじゃないかと思ってしまいます。
幸江よりもイサオの過去や内面の変化をもっと具体的に描いて欲しかったです。前半のちゃぶ台も、イサオの真の人物像に繋がる訳でもなく、お金に困っていそうな割にご飯を粗末に扱う2人に違和感がありました。
それでも深い台詞はありました。
「女にはな、産まない、母親にはならないっちゅう決断をせんとならん時もある。それも立派な女の役目や。」
「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。」
不幸がなければ良い人間も作られないですよね。その証としての熊本さんのキャラが素晴らしかったです。
キャスティングが最強 パンチパーマのイサオが好きなキャラ過ぎて最高...
キャスティングが最強
パンチパーマのイサオが好きなキャラ過ぎて最高
ロン毛時代と性格が違い過ぎるし、
なんでゆきえを好きになったのかも気になるけど
そこら辺は無視して進んで行くんだね
ずうっと思い合える人
テレビ東京で放映した。貧乏だったり親の離婚だったり、周囲がいじめたり、ぐれてしまったり、そんな中でも味方が現れたりする。
片方が弱い時に片方が強かったり、そのお返しのような時が来たりする。映画の始めはどうなってしまうんだという破壊的な内容だったのに、続けて見ていくと粗暴なだけでは無かった交流もあったりする。もしかしたらどこまで悪くなっても諦めないでいてくれるだろうかという期待から無意識ながら相手に迷惑かけてしまうのかも知れない。主人公の父親が銀行強盗で逮捕されてしまった後に、手のひらを返すように逃げてしまう同級生たちの中で、一度裏切った同じ貧乏で蔑まれていた熊本さんだけが待っていてくれていた。だけど一度裏切っただろうと20発近くも主人公を殴る。殴った後で、もう気は済んだけどあなたはどうなの?されているままなのと言われて、主人公はやり返すが、それが極端ではあったが・・・。主人公のもう一人の因縁の相手は、街中もどつきまわしてしまっているが、主人公の命が危うくなると素顔を垣間見せる。世知辛い世の中で、主人公の因縁の男がぐれているのも、正義感の裏返しでぐれてしまっているのかも知れない。5円玉が小細工として大きな印象を与える。こういう話が出来るというのは、人生捨てたものではないという事でもある。大変だけど。
笑って泣きました
幸と不幸と笑いと涙がいい塩梅で入っている映画です。
テンポも良く、飽きずに観られましたし登場人物一人一人があまりに役にピッタリで、細かい描写も笑えたり、素晴らしかった。
幸せとは、不幸とは、愛情とは、そんな一言で括れない、幸せな自虐。
不幸の中にあったあたたかな人の繋がりや、幸江の人生観、イサオのヤクザの才能と血との葛藤、そんな自分が子供を残してもいいのかという戸惑い。
そんなことがナチュラルに笑いを交えて本当に大切なものは何か、価値があるってなにか、そんなことを考えさせられる映画でした。
私の大好きな映画です。
泣けも笑えもせず
非常に残念だった。
中谷美紀と阿部寛のキャラとビジュアルでグンと期待が上がるけど、弾けないまま終わってしまった。原作が4コマという事でエピソード一つずつが切れていてテンポがスゴく悪かった。中谷美紀が事故で過去を思い出すシーンは阿部寛との今までがフラッシュバックして今こうなったんですよ。と見せるのが普通だと思うんだけど、学生時代のエピソードが入ってきて「何でここ?」ととにかく乗れなかった。他にも何で最初の関係から今の関係になったのかもボンヤリしてるし、キャラが濃いのに活かしきれてないように思えて残念だった。堤幸彦監督作はあんまり僕には合わない。中島哲也監督だったら面白かった気がする。
決して笑う映画ではない
個人評価:40点
ポイント:[滅茶苦茶][個性的][役者魂]
この映画は、「笑いあり感動あり」ではないです!
じゃあ、どんな映画かって?
それはですね、「他人は他人、自分は自分」と感じさせてくれる映画でした
幸せも不幸も人それぞれですよね?
それを主人公の女性が苦節しながら見つけ出すストーリーになってます
また主人公夫婦の役者魂を感じました
今までは、演じた事がない様な破天荒なキャラクターをしっかり自分のものにしてました
映画の雰囲気的にも、わざとらしい演技が違和感にならなかったです
キャスティングがはまってる
笑いと泣きの要素の配分が絶妙だと思いましたが、後半の過去話が冗長で、あそこで少しダレました。必要な話ではありますが、後半にまとめすぎでは? もう少し全体にバラしたほうがよかった気がします。アジャ・コングの夫は…予想外です(笑)
すっかり薄幸が板についた中田美紀(もともとゴージャスな雰囲気じゃないですけど)、パンチパーマ&変なロンゲが妙に似合ってる阿部寛ほか、遠藤憲一、西田敏行ら脇も冴えててキャスティングははまってましたね。
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