ヒルズ・ハブ・アイズのレビュー・感想・評価
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オリジナルより過激
ウェス・クレイヴンが手掛けた「サランドラ」を、フランスの鬼才、アレクサンドル・アジャ監督がリメイクした過激作。「ピラニア」も良いがこういうガチのホラーはやはり右に出る者はそうそう居ない。
確かに「ハイテンション」ほど観ているこちらもハイテンションになる事は無かったが、容赦無い殺害シーンや、浴槽(?)に入れられた血みどろの遺体など、迫力は満点である。不気味なガソリンスタンドで気味の悪いおじさんに給油をしてもらい…という何百回も観たお決まりの展開もあるが、主人公の妻がヒロインなのかと思いきや頭をぶち抜かれて早々に退場してしまったり、意表を突く展開もある。一応ハリウッド作品のため、やはりエンタメだと言う事を忘れてはいけないが、ミュータントらに体を舐め回されたり、犯されたりなど触っても欲しく無い連中に嬲られるシーンはフランス流儀感が出ている。これがフランス映画ならもっとキツいシーンだったに違いない。
しかもその犯された娘がきちんと生き残るのもツボである。アメリカに実際に存在する、「オッペンハイマー」を筆頭とした核実験場近辺に住む人間が奇形となり、凶暴性が増しただけで無く、論理や道徳も通用しない食人モンスターになってしまったと言うアメリカの闇を皮肉った様な物語だ。なぜ食人に走ったのかは謎だが、ミュータントとて全員が全員気の狂った連中では無く、ただ1人だけ助けてくれる女の子がいる。一家の末っ子の赤いトレーナーをパクり、フードを被って砂漠を歩く姿はまるで赤ずきん?少し愛嬌も感じられたあの娘の最後は勇ましく、悲しいものだった。
妻の両親の銀婚旅行に連れ添った主人公は、エアコンの壊れた車でイライラしながら、ソリの合わない養父と張り合いながら過ごす訳だが、ちょっと"嫌な奴"感が出ていた主人公が最後まで諦めずに戦うシーンはかなり盛り上がる。後半は完全に応援していた。また、一家の2匹いた内生き残った1匹を連れて砂漠を血だらけで戻ってくるシーンは「マッドマックス」さながらであり、1番熱いシーンに思える。ゲテモノ感は否めないが、この先もこれを超えるトンデモホラーを期待したい。
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