「ヘビー級のヘビが大暴れ!でも余りリアルに身をくねくねされるとねぇ~気味悪かったです。」D-WARS ディー・ウォーズ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
ヘビー級のヘビが大暴れ!でも余りリアルに身をくねくねされるとねぇ~気味悪かったです。
とても韓国映画には見えませんでした。といっても製作のほとんどは、ハリウッドのスタッフの手によるもの。 『トランスフォーマー』などの一流GCスタッフが作っているだけに、クリーチャーが街を破壊しまくるシーンは、迫力満点。クリーチャーの出来具合はリアルでいいのですが、あの生き生き、ニョロニョロしたもの(^^ゞがあまりにヘビに似過ぎていて、見ていて気持ち悪かったです。
ヘビー級のヘビなんですぅ。
このヘビが暴れる理由はただ一つ。龍に『昇格』すること。
けれどもそのチャンスはなぜか500年に一度しか巡ってきません。龍になれる龍玉を宿した女性は、500年に一度しか、生まれてこないからです。
巨大なヘビは、龍玉を宿した女性を追っかけて、500年前の中世韓国から21世紀の現代のLAに突如現れ、暴れだしたのです。
ドラゴンに翼がなく、ヘビなのと、龍にまつわる伝説のくだりは、さすがに韓国映画なんだと感じました。
でも韓国の伝説に根付いているとはいえ、余りに都合のいいストーリー展開には閉口しました。
龍玉を魂に抱く女性をパクリといただければ、龍になれるのに、見つけても睨み付けてさんざん雄叫びを上げるだけで、決して襲おうとしないのです。まるでここで襲っては、映画が終わってしまうから、許しておこうかというノリなんですよ。
この女性は世界中を混乱に巻き込むクリーチャーたちを鎮めるのに、自らの身を捧げることが運命づけられておりました。彼女に恋した主人公イーサンは、予言者の告げる言葉にも耳を貸さず、必死に彼女を守ろうとします。
イーサンの儚い想いにはホロッとしました。
クリーチャーは、ヘビ以外にもいろいろ登場し、中世韓国から復活してきたような謎の軍隊まで登場します。
けれども、アメリカ軍との交戦では無敵だった、謎の軍団も、イーサンの伝説の力で、あっという間に片付いてしまいます。おまえそんな力を持っておるのなら、早く使えよなと言いたくなりました。
ファンタジーとモンスターパニックが合体したような作品ですが、特撮シーンを除いたドラマパートでは、ストーリー展開が練られていなかったですね。
特筆するのは、無数のクリーチャー軍団と最新の兵器を装備したアメリカ軍とのLA市街戦。てっきりオールCGかと思いきや、実写も含まれていました。
戦車をLA市街に持ち込むなんて、絶対に不可能だとスタッフの誰もが反対したのに、監督ひとり信念を貫いて、シュワッツネッガー州知事に直談判の信書を送ったのだそうです。
信書が知事の心を動かし、911以降誰も果たせなかったLA市街戦のシーンが実現しました。
そんなわけで、『トランスフォーマー』などSFアクションが好きな人には、多に注目に値する作品でしょう。
だけどくれぐれもヘビが嫌いな人には余りお勧めできません。夢にまで出てきそうです(;^_^A アセアセ…