劇場公開日 2007年8月25日

厨房で逢いましょう : 映画評論・批評

2007年8月28日更新

2007年8月25日よりBunkamuraル・シネマにてロードショー

女心を胃袋でゲットした巨漢シェフの奇蹟のロマンス!

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「美食と料理作りが生きがい」という天才シェフ、グレゴア。料理に情熱をかたむける
彼の運命が平凡な主婦エデンと知り合ったことで変わり始める!?

食べた人に陶酔と絶頂感をもたらすため
“エロティック・キュイジーヌ”と呼ばれる料理を作るグレゴアだが、外見はセクシーとは程遠い。というかデブでハゲで、はっきり冴えない。それを自覚し、他人と距離を置いていたグレゴアの厨房に「料理を食べさせて」と押しかけてきたのがエデンだ。図々しさに戸惑うシェフだが、美食に子供のように大喜びする彼女の姿にささやかな幸せを感じ、料理もパワーアップし始める。グレゴアはやがて厨房でエデンと過ごす時間に安らぎを見い出すが、彼女のほうは彼の純情に無頓着なのが切ない。エデンにとってグレゴアは、料理上手なシェフでしかないのだ。彼の料理でエロい気分になった彼女が夫のためにデザート女体盛りに挑戦する場面は、なんとも複雑。美人は男性心理に敏感なので恋心に火がつく前に消火しておくが、そこそこに可愛い女の無自覚さは実に残酷だ。とはいえ、このズレがロマンスのスパイスとなり、厨房で起きた奇蹟の物語の隠し味となっているのは間違いないだろう。

山縣みどり

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