「いい映画…ホントにいい映画。」Life 天国で君に逢えたら mori2さんの映画レビュー(感想・評価)
いい映画…ホントにいい映画。
肝細胞ガンの為、38歳の若さでこの世を去った、世界的プロウインドサーファー・飯島夏樹。この映画はガンと向き合い、そして懸命に生きた彼の半生と、彼を支え続けた妻、そして家族の“愛”を真正面から描いた実話を基にした、感動ドラマです。
映画館で流れていた予告編を観ただけで、吾輩既に号泣しそうになっておりましたので、『本編観たら、一体どうなってしまうやろ?』と、半ばビビリながら映画館へ出掛けました。結論から言うと、泣きました…でも号泣はしませんでした。映画自体が、そんなに『泣かせてやろう』と押し付けてくるのではなく、むしろ爽やかに…そう作中にも出てくる『風に吹かれるままに』…という感じで作られていたので、本当に素直に映画の中へ入っていけましたし、爽やかな感動をいただけました。ホント、“いい映画”でした。
ガンとわかってから苦しむ夏樹さんを、同じように苦しみ、それでも強い心で支えた妻・寛子さん。なかなか素直になれなかったけれど、『死なないでほしい』という一心で行動し、それが夏樹さんの支えとなった小夏ちゃん。そばにいて、笑っているだけで夏樹さんの心を和ませせた3人の息子さんたち。そして常に夏樹さんを想い、励まし続けた仲間たち…。みんなに支えられて、夏樹さんはガンになったことを『良かった』とまで思えるようになっていきます。この過程の描かれ方が、とても優しさに溢れていて目頭が熱くなりました。『ああ、生きてるってホントに素晴しいことなんだな』と、単純に素直に痛感させられました。“延命治療”を否定するわけではないのですが、夏樹さんの『風に吹かれるままに』という生き方は、ガンと闘う人達の1つの理想の形なんじゃないでしょうか?
桑田さんが歌う主題歌「風の詩を聴かせて」がエンディングで流れるのですが、ほぼ満席の客席から立ち上がる人は、エンドロールが終わるまで1人もいませんでした!吾輩、こんな光景を観たのは初めてです。いやあ、本当に素晴しい!