「これは『エヴァ』ではない、『ヱヴァ』である!」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
これは『エヴァ』ではない、『ヱヴァ』である!
遂に公開!
『シン・エヴァ』前に、『序』『破』『Q』を一気見再鑑賞。
(レビューはそのままです)
『エヴァ』が放送されたのは今から17年前で、劇中の少年少女とほぼ同年代だった自分は当然のように見ていた。
未知の敵と戦うロボット…を一捻り二捻りした斬新な設定。
見る者に媚びない現実味たっぷりの厳しい世界観とショッキングな描写。
使徒って?人類補完計画って?ネルフの真意って?…謎が謎を呼び、さらに謎が深まるストーリー。
全てが従来のアニメを逸し、その洗礼を受けた。
文字通り“新世紀”のアニメ。
とりわけこのアニメに魅入られた要素は、複雑な内面を抱える登場人物たち。
シンジは自分だったのかもしれない。
非常にナイーブでデリケートで、自分に自信も意義も見いだせず、傷付くのを恐れて人と触れ合う事も出来ない。ヤマアラシのジレンマとは上手い比喩だ。
そんなネガティブ過ぎるシンジに見る者は何かしらの共通点を重ね、徐々に心を開いていく様に共感したのだろう。
ロボットアニメの主人公は勇気と正義で敵と戦う。
シンジもエヴァに乗り使徒と戦うが、本当は使徒と戦ってたのではなく、死と恐怖と戦っていた。
これに共通する先行者は『ガンダム』であり、『エヴァ』は紛れもなくその後継者。
さて、この『序』はTVシリーズの1話〜6話までをほぼ踏襲。
テンポ良く少々ダイジェスト的でもあるが、クライマックスの“ヤシマ作戦”は興奮。
新たに書き起こされた画と音響で興奮は増し、迫力は倍増。
ラストの微笑むレイは非のつけようがないほど美しく映えた。
『序』は日本のアニメのクオリティの高さを再認識し、新たな『エヴァ』…いや、『ヱヴァ』の始まりに胸躍った。
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