劇場公開日 2007年9月1日

「やっぱり一筋縄ではいかない。」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 ヨシュアさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5やっぱり一筋縄ではいかない。

2007年9月3日

興奮

難しい

初めてエヴァというものに触れる方々にとっては、この作品はよくあるSFロボットアニメとして目に映っただろう。今作の「序」で描かれるストーリは、旧TV版の序盤で展開される象徴的な話であり、臨場感ある戦闘シーン、惹き込まれるキャラクター、精巧に描かれたロボットやマシンなど、エヴァワールドをタイムリーに味わってもらうにはうってつけの内容だ。

すでに過去のエヴァ作品に精通している方々にとって、旧TV版の画が最新の映像テクノロジによってリビルドされたことは、懐かしさより新鮮さの方が印象強いのではないだろうか。また、新たな設定、伏線、謎が提示されたことで、12年前にも巻き起こった賛否両論を交えた議論がネット界隈で再燃するだろう。

今回は全4作のうち1作目とあって、話の厚みとしては若干もの足りなさを感じるかも知れない。逆に、今後展開される奥深いヱヴァワールドへ誘(いざな)うための準備運動と捉えられなくもない。

幸い、次回作の「破」の公開までは時間的余裕がある。ヱヴァンゲリヲン新劇場版を通じて、庵野監督が伝えようとしているメッセージをじっくり読み解くのも、この作品を楽しむ1つの方法であると言っておこう。

たまねこ