劇場公開日 2007年11月10日

「キョンキョン最高!」やじきた道中 てれすこ mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0キョンキョン最高!

2025年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

平山秀幸監督の前作「しゃべれども・しゃべれども」は若手落語家の話だったが、今回は、十返舎一九「東海道中膝栗毛」(弥次さん喜多さん)と古典落語から題材を取っての落語のようなお話。でも落語の世界と言うより、しっかり「映画」の世界を作り上げた。

今までの平山監督ものとは違って、コテコテの役者ばかりで、どうなるのかと思っていた。題材に振り回されて「魔界転生」の二の舞にならないかと心配した。私はコテコテの「芝居」が見たいわけではなく、「映画」が見たい。それで主演は、コテコテの中村勘三郎、もう一人は柄本明。見る前から「コテコテ」やな~と思っていた(「テレスコ」でなくコテコテ‥)。

見たら、しっかり映画の雰囲気。さっきの二人はコテコテだったが、ほかの役者もコテコテ。みんな臭いくらい上手い。皆演技の見せ合い。そのなかで勘三郎の姉さんの波乃久里子が女郎宿の女将役をサラッとやっていてよかった。

が、そのなかで一番光っていたのは「キョンキョン」(小泉今日子)だった。なんと自然、なんと艶っぽい。その上堂々としている。この映画は彼女が核。結局キョンキョンのおかげで、この映画の芝居臭さが、中和されて、相方のコンビの勘三郎、柄本が光った。ほかの演技陣もそつなくバランスよくまとまっている。

男二人に女一人の組み合わせの映画は、「冒険者たち」「明日に向かって撃て」と名作があって、私は好きなパターン。この映画もそんな良さが出いている。

ラストの勘三郎、柄本、キョンキョンの川原での掛け合いが、よかった。映画のにおいがする。

キョンキョン最高!

mac-in