「【気丈だが自分の城を守るために”心を閉ざした”女シェフと深い悲しみに耐える少女に、陽気で素敵なスーシェフが振り掛けた魔法のスパイス】」幸せのレシピ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【気丈だが自分の城を守るために”心を閉ざした”女シェフと深い悲しみに耐える少女に、陽気で素敵なスーシェフが振り掛けた魔法のスパイス】
■今作の魅力
・メインの3人のキャラクター設定が明確で、演じた俳優達が醸し出すアンサンブルがとても素敵な所。
1.ケイト:メインシェフとして、自らの厨房を”気丈に”仕切る。自分の料理に自信があり、一切妥協しない。束縛を嫌い心に鎧を纏っている。だが、その性格を心配したオーナーのポーラからセラピーを受けさせられている。(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ:徐々に心を開いていく姿を絶妙に演じる。)
2.ニック:ケイトが姪を預かる事になり、心労も含め負荷を減らそうとポーラが雇ったオペラ好きの陽気で心優しきスーシェフ。”ペニンシュラ”からの誘いがあるほどの腕前。”イタリア仕込み”のケイトへのアプローチも嫌味なく良い。(アーロン・エッカート:陽気だが、懐深い男を好演。)
3.ゾーイ:シングルマザーのクリスティンを突然の自動車事故で亡くし(彼女は軽傷)深い悲しみの中、唯一の肉親ケイトに引き取られた小学校低学年の、”瞳がつぶらな”可愛すぎる少女。
(アビゲイル・ブリスリン:繊細な表情の数々:涙顔・笑顔・ふくれっ面・お茶目な顔・・、全てが愛らしく素晴らしい。「リトル・ミス・サンシャイン」でのぽっちゃり体型でのダンスも素晴らしく、鑑賞当時”親戚のおじさん”になってしまった・・。2019年「ゾンビランド・ダブルタップ」で、久しぶりにスクリーンで再会。”大きくなったなあ・・”)
■とても好きなシーン幾つか (数々あれど・・)
・ゾーイが深い悲しみと環境の変化のためか食事を余り食べない状況の中、ケイトが店に連れて来た時、ニックが調理台に座っているゾーイの隣にトマトパスタを手に腰掛けて、”バジル”をゾーイに何気なく嗅がせた後、美味しそうに少しだけ口にし、”ちょっと持ってて・・”とゾーイに持たせるシーン。
ゾーイは少しづつ、そして美味しそうにパスタを食べ始める・・。”ちょっとは残しておいて・・”と声を掛けるニック。その姿を見つめるケイト。
ーニックの優しさが良く分かるし、お祖母ちゃん直伝のトマトパスタの美味しそうな事!。ゾーイがニックと仲良くなるのも良く分かる。ー
・ケイトとニックがゾーイがサファリキャンプ風に夕食を摂るシーン。そして楽しそうにゲームをする三人の姿。
・ケイトに目隠しをしたニックが”スプーンに乗せたソースの味”を
当てさせるシーン。(心の中で「ナインハーフ」か!と軽く突っ込む。)
・ある日ゾーイが居なくなり、ケイトが必死に探すと母のお墓の横で泣いている姿
・・。”ママを忘れそう・・”
<ラスト ”店の名前が書いてある” 三角形の看板を嬉しそうに回すゾーイの姿も忘れ難い。とても、好きな作品である。>