「ナポリタンが一番美味しそう」幸せのレシピ αさんの映画レビュー(感想・評価)
ナポリタンが一番美味しそう
オリジナルの「マーサの幸せレシピ」も良心的な作品でしたが、強く心に残るというほどの作品ではなかったので、それを繰り返しても結果は同じという印象でした。可もなく不可もないといったところです。
オリジナルもリメイクも、主人公の女シェフが、仕事一筋で何でも自分の力でコントロールしようという厳格な人間という設定。オリジナル版はそれがドイツ人であり、そんな彼女の厨房にやってきた陽気なイタリア人シェフのおかげで、徐々に心がほぐれていくというのが、安直な発想かもしれないけど、わかりやすい国民性(ドイツ人=真面目で固い、イタリア人=歌好きで陽気)を表現していて面白かったんですが、リメイクではその部分がなくなってしまって……。陽気なシェフ役のアーロン・エッカートは、一応イタリアかぶれのアメリカ人って設定ですが、思いっきりアメリカンな風貌の人なので、あんまりイタリアンな雰囲気が伝わってこなかった……。そのぶん、パバロッティのオペラをふんだんに使っている部分は、工夫されていたと思いますが。
しかし、劇中のキャサリン・ゼタ=ジョーンズが作る完璧で高級そうな料理よりも、アーロン・エッカートが作った素朴なナポリタンスパゲッティが一番美味しそうに感じられたのは、高級レストランに縁のない自分だからでしょうか…。
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