劇場公開日 2007年7月28日

「若干湿っぽい気がするが」夕凪の街 桜の国 Casaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若干湿っぽい気がするが

2007年8月13日

泣ける

原作に比べて若干湿っぽい気がするが、それは佐々部清ならではか?
……とは言ったものの、基本的に原作に忠実なので、原作愛読者でも納得の出来だろう。原爆投下から60年が過ぎ、すでにそのことが過去となりつつある現在で、原爆の悲劇がいまだ過去ではないことを認識させてくれる。原爆投下から13年後と60年後の広島が舞台で、投下の瞬間は描かれていないながらも、痛切にその悲劇を伝えてくるのは原作の妙。この映画は、その原作の精神やメッセージ、構成を壊すことなく映画化したことが醍醐味だろう。正鵠を射たキャスティングも良い。

Casa