「広島に原爆投下された爪痕!! 私は幸せになっちゃいけんのか?」夕凪の街 桜の国 美紅さんの映画レビュー(感想・評価)
広島に原爆投下された爪痕!! 私は幸せになっちゃいけんのか?
昭和33年、戦争のあと、母親と平和に暮らしていた皆実。
あれから、10年の月日が経っても
心と体の傷は癒えないでいた事実。
皆実にそっと手を添え、包み込む愛情を
くれた打越。
川に石を投げる、『水切り』をする男性の姿は
新鮮なものに出会えた!
もっと貴方を知りたいと言う潜在的な感覚を感じました。
白地に茜色の金魚の刺繍がされたハンカチーフ𓆛
もっと生きたいと思いながら散っていく生命に儚さを感じました。
夕凪や瀬尻の性や水つよし
平成19年になって皆実の弟である旭が
時が現代になっても、亡くなった姉の皆実を
思いながら、生きている場面は過去の出来事
である戦争を風化させてはならないと
思いました。
広島に赴く旭は娘の七波に姉の皆実の若き日の姿を見ていました。
七波が自分が生まれてきた由来を知るシーン
は、海の波が押し寄せるように
想いを巡らせる気持ちになるストーリーでした。
既に読まれていたのですね。失礼いたしました。
人を好きになった人は好きになった分だけ、大切なものを失ったことがある人は失ったものの分だけ、子どもを持ったことがある人は子どもを持った喜びを知っている分だけ、そして、もしも、その子どもをなくしたことがある人はなくしたことがある分だけ、心に残る話ではないかと思いました。それがあとがきの「激しい結末を与えられる」という言葉につながっているように思いました。
もしよかったら、ぜひ「夕凪の街」(だけでかまいません)を読んでみてください。とても短い話です。
あとがきに
「そして誰より「夕凪の街」を読んで下さった貴方、このオチのない物語は、三五頁で貴方の心に湧 いたものによって、はじめて完結するものです。 これから貴方が豊かな人生を重ねるにつれ、この物 語は激しい結末を与えられるのだと思います。 そう描けていればいいと思っています。」
という言葉があります。
読まれてみると、この意味がとてもよくわかります。