「夕凪と桜の意味」夕凪の街 桜の国 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
夕凪と桜の意味
忘れたふりしてきただけかな
そんなことしたって、無かった事にできるわけじゃないのにね
この言葉が心に強く残りました
つらい記憶だから思いだしたくない
だけど忘れてはいけないこと
たとえ忘れた気になっていても、それは本当にあったこと
たとえこの事を知らなくても、それは確かにあったこと
その時、その街で、幸せに暮らしていた人々がどうなったのか
その時はその一瞬でさえなく、後から追いかけてさえくることを
世代を超えて伝えていかないとならないことです
夕凪が終わるまで、風は吹きません
まるで時が止まったような
それが夕凪
いつまでも記憶の中で、どんよりと止まった時間
それが夕凪の街
団地のある街はおばあちゃんと母が死んだ街
夕凪が止まって風が吹き出したから
二人は死んで、自分は生まれた
桜は平和の象徴
風が吹きはじめて、時は流れていく
桜吹雪のように記憶も散って行く
それは街だけ?
それは戦後の日本ぜんぶのこと
だから街ではなくて、桜の国
桜吹雪が吹いています
もう葉桜のようになっているのかもしれません
私達は毎年花見で満開の花見をするように、あの原爆忌の日くらいは、あの日あの時何があって、どうなったのか、それからもどう苦しんできたのか
満開の桜の花ように、その記憶をたくさん、いっぱい自分のものにしないとならないと思いました
毎年桜祭りがあるように、永遠に続けていがないとならないことです
藤村志保のおばあちゃんが素晴らしい存在感でした
特に皆実と打越との結婚を期待して暖かく見守っていたフジミが、皆実が原爆症で儚く死んだこととで、旭と京花徒の結婚に強く反対するシーンの激しい悲しみの重さは心を打ちました
それを乗り越えて七海は生まれてきたのですから
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