劇場公開日 2007年7月28日

天然コケッコーのレビュー・感想・評価

全45件中、41~45件目を表示

3.5原作同様に瑞々しいが、掘り下げはやや浅い

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 70

 現実の世界では劇的な大事件ばかりが起きるわけではない。だが後になって考えると小さなことが、子供のころには大きなことだったりする。あるいは子供のころにはささいなことでも、後から考えると大切なことだったりする。原作を途中まで読んだことがある。何も無い過疎の田舎を舞台にして、そのようなちょっとしたことに心を動かす中学生を見事に描いた、とても新鮮で瑞々しい良い作品だった。

 さて映画のほうはどうだろうか。時間が飛び飛びになりながら、小さな事件が淡々と続いていく。少女の感じるままの日常の心の揺らめきが、のどかな町に原作同様に描かれる。自分の理想の冬用のコートを欲しがってみたり、髪型のことでいけない発言をして友人の気分を害したことで自分自身が傷ついてみたり。恋愛対象になるような異性すらいない田舎で、突然やってきた転校生が持ち込む変化。主人公の右田そよを演じる夏帆が、小さな世界で自分なりに精一杯生きる少女の存在感を表現していて、映画全体のそんな瑞々しい雰囲気をうまく作りだしていた。
 だがやはり映画としての時間的制約があるからだろう、原作よりも一つ一つの出来事の掘り下げがやや甘くなっているようにも感じた。原作にあるけれど映画にない物語もいくつかあって、だから映画を見ていて彼らの共有する出来事も少なくなって関係が薄く見える。そういいつつもそれでも楽しめる作品でした。こういうのいいなあと、すっかり汚れきった大人の私なりに思ったのでした。

 映像は町の自然や田舎の家々を撮影して積極的に使うことにより、のどかで小さな世界をうまく表現している。場面場面で植物とかを映し出して、四季の移ろいを教える。音楽はあまり使われず、むしろ自然の音や生活の雑音で雰囲気を作り出している。でしゃばりすぎない音楽の演出はむしろ好感が持てた。

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Cape God

3.0夏帆ちゃん!!

2008年11月3日

幸せ

前に観たうた魂の夏帆ちゃんに刺激をうけたので、この作品を観ようと思い借りてきて鑑賞しました。(妻にロリって言われつつ)
内容的にはうた魂の方が良い出来ですが、この作品も夏帆ちゃんパワー炸裂です。
まず方言がいい。少し聞き取りにくいが地方の言葉に吸い寄せられます。子供達が生き生きとしこの村で生活している。内容は過疎の学校に東京から少しイケメンな男の子が転向して来て、夏帆ちゃんの初恋が始まるといったストーリー。
自然いっぱいののどかなとこでの初恋ストーリーはいいのだがかなり疑問点がある。ジャケット貰うかわりにキス?電車で少し行けば少しひらけた町あるのに、通販で買い物知らない、どこから男の子を意識し始めたのかが明確でない、お父さん(佐藤浩市)の浮気疑惑が曖昧・・・など全体的に決め手のセリフがなくよくわからないままエンディング。
しかし、夏帆ちゃんがこの作品の評価を上げてくれてます。本当に久し振りに素晴らしい女優が出てきたなって思います。次の作品も必ず観ます。ロリじゃないです、多分。

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ましゃ

4.0田舎の「空気」

2008年3月26日

幸せ

最初に断っておくと。私の田舎に対する思いは、望郷の念に近いものがあって、今でもできれば生まれ故郷である片田舎に戻りたい、という願いがあったりする。

そんな私がこの映画を観てまず思ったのは、田舎の「空気」をよくここまで綺麗に見せたものだという感嘆の思い。そして、その空気に違和感なく溶け込んだキャスティングの妙。特に主演の夏帆ちゃん。まだ原作をほとんど読んだことないんですけど、たぶんこれ以上の人選はなかったんでない?というくらい雰囲気だしてました。ラストの、黒板に対するキスシーンなんかは鳥肌が立つほど素晴らしかったです。去年見た映画の中でも屈指の名場面じゃないかなぁ。

ストーリーにそんな起伏があるわけじゃないのに、2時間があっという間だったという点も白眉。これは監督が意図的に演出してたと思われる間の取り方が巧かったというのもあるんだろうけど、田舎に抱く個人的な思い入れの問題も大きかったんだろうな…。

実際の田舎がこんなにも美しく感じるか、というは別問題ですが、こういう映画は心が疲れ気味の時にのんびりみるといい清涼剤になりそうですね。心が荒み気味なのを自覚している方なんかには強くご鑑賞をお勧めしますw

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shaw

4.5なんだか心地良いのです

2007年8月24日

楽しい

幸せ

人気少女漫画家のくらもちふさこさんのマンガが原作です。
田舎で暮らす少女の中学2年生から卒業までを描いた作品です。
そんな田舎に、イケメンさんの男の子が転校してきたところから、お話は始まります。
小中学生合わせて、生徒数は6人の分校での日常を描いて行きます。
田舎道を歩いての海水浴、夏祭り、バレンタインデー、修学旅行、そんないくつかの出来事に恋愛を絡めて進んで行きます。
特別な事が起こる訳でもなく、田舎の日常を淡々と描くだけの作品です。
全体を通して流れる雰囲気が、とても心地よい気分にさせてくれます。
島根の方言が、とても可愛らしく感じます。
特に主役の夏帆が喋る方言が、とても可愛いのです。
とても心の癒される映画ですね。
感動で涙する訳でもなく、大笑いする訳でもなく、ハラハラドキドキする訳でもありません。
ただ何となく心地いい映画です。

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フリーダ

4.5夏帆は果報者

2007年8月8日

楽しい

幸せ

夏帆がいい。それにつきると言ってしまっては乱暴かもしれないけど、それだけいい。ここの特集で山下監督のインタビューにも書かれていますが、お下げ髪が似合って、田舎くささが出ていて。きっと夏帆がこの役を出来たのは、ちょうど今だけだったでしょう。そんなベストな時期に、初めての主演作でこのような作品にめぐり合えるとは、果報者ですね。田舎の自然の風景も、とても心地よかった。ゆったりしたリズムだけど、眠くなるわけでもなし、夏にちょうどいい、癒しの時間。この時間がずっと続けばいいのに……と思える作品でした。

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A.KI.
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