劇場公開日 2007年11月3日

「テレビのドラマ~♪、ヤクザのドラマ~♪と嵐を呼ぶ男がやってきました。」ALWAYS 続・三丁目の夕日 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0テレビのドラマ~♪、ヤクザのドラマ~♪と嵐を呼ぶ男がやってきました。

2020年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 日本アカデミー賞をほぼ独占した前作に比べると、さすがにVFXによる驚きはなかったけど、脚本にはますます磨きがかかったような気がします。予告編の段階では、幼い頃なぜか憧れていたしぼり器付きの洗濯機に心奪われてしまいましたけど、凄いと感じたのは冒頭のゴジラだけだったかも。最も凝っていたのは東京国際空港の旅客機や新幹線になる前の151系特急電車こだま号でしたが、細かな家庭用品にもよく集めたものだと感心させられます。

 物語は茶川(吉岡秀隆)が芥川賞を取れるかどうか?がメインとなっていましたが、実際の昭和34年下半期の芥川賞は該当作品なしであり、この点でも上手く配慮がなされていました。とは言っても、冒険少年に書いているSFや冒頭のゴジラもどきの作品を書いていて、果たして純文学が書けるのかは疑問です。

 一方、鈴木オートでは親戚の娘・美加を預かることになり、六(堀北真希)に恋する男・武雄(浅利陽介)が登場します。お父さん(堤慎一)は戦友の会に出席し、戦友だった牛島(福士誠治)のエピソードとともに、まだ戦後と言われた昭和の時代を感じさせてくれたし、また茶川も同じ頃東大の同窓会に出席するというバランスの良さもあり、全体のストーリーを引き締めてくれました。

 24色の色鉛筆、ハンドクリームといったアイテムや、前作からの繋がりであるシュークリーム、指輪ケースといった関連アイテムにも満足です。タバコ屋には「皇太子妃ご懐妊」という文字も見られるし、出来上がったばかりの東京タワーのエピソードもいい。ほとんどの展開はベタだけど上手い脚本・・・しかし、笑えるシーンは前作を超えてないのかも・・・

 子供達の成長もわかりやすいほどだったけど、子犬のタロだって春から秋に向けてしっかり成長していたのがなかなかのこだわりだったと思う。ところで、3作目は作られるでしょうか?作られるのならば、次は「新・三丁目の夕日」、その次は「最後の三丁目の夕日」てのがいいな~

〈2007年映画館にて〉

kossy