腑抜けども、悲しみの愛を見せろのレビュー・感想・評価
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何をしてくるか分からないモンスター的なお姉ちゃんに、周囲の心が不安...
何をしてくるか分からないモンスター的なお姉ちゃんに、周囲の心が不安になり揺れているのがメチャクチャ伝わって来ます。
真夏の田舎の雰囲気が滲み出た撮り方と、お姉ちゃんの空想の表現が作品全体のコントラストになって引き込まれました。
ラストの技法も好きです。ちゃんとストーリーと絡んでいて、エキセントリックな空気を醸し出せていました。
けれど、その負の連鎖に終わりを告げるときの解放感と、絶望感はやばい。
女王のように振舞い、妹に対し異常ないじめを行う姉。
それにひたすら耐える妹。
なぜかそれを黙認する兄。
疑問を持ちながらも常に笑い続ける兄嫁。
この四人、一人ひとりが歯車となってこの物語は進んでいく。
この物語の登場人物に、幸せになれる人なんて一人も出てこない。
互いに互いを引っ張り合って、負の連鎖が止まらない。
田舎という狭い閉鎖的空間で、それぞれが互いに怯えながら
暮さなければならない息苦しさは、悲劇好きにはたまらないものだと思う。
けれど、その負の連鎖に終わりを告げるときの解放感と、絶望感はやばい。
観終わったあとのエンドロールではチャットモンチーの曲と共に爽快な気分になった。
すごい、スカッとします、最後。
全体的に色彩がすごく鮮やかで、目に焼き付く感じがした。
この映画にパステルカラーはまったく無縁。
ビビッドカラーでどぎつく脳裏に焼き付かれてください。
羊の皮を被った狼、狼の皮を被った羊。
ある意味、裏表のない主人公。そして何か、裏がありそうな妹、兄嫁。
この3人の演技が素晴らしく、絡みあい、踏み台(笑)にしていく様子が面白かったというか、こえーなと。
嵐のような作品でした。
ちょっと弱い
小説版で先に読んでいた。映画祭をやっていて、劇場で観るチャンスがあったので鑑賞。
おもしろい。
うんおもしろい。
んだけど、、
弱い、かな。。
小説を読み、既にストーリーをある程度知っていたからなのか、
期待値が高すぎたからなのか、、
本谷有紀子の舞台は好きだ。
小説もどれも変態ばかり登場し、予想もつかない行動・セリフが飛び出てくるストーリーがとても魅力的。
周りにいてほしくないけど、
いたら絶対避けたいと思うけど、
本谷有紀子が描くキャラクター達はとても「おもしろい」
映画の中では小説版を読んでいたときに感じたキャラクター達のエネルギーが不足しているように思えた。
なんだか悪いことばかり書いてしまったけど、
映画は面白かった。それは間違いない。
やはりそう考えると期待値が高すぎたんだろう。
どこが面白かったのかと聞かれると難しいんだけど、
どのシーンも割と鮮明に頭に残っている。
これはきっと監督の手腕だろうから、1シーン1シーンがどれも魅力的なんだと思っている。
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
最も難しいニュートラルな役割を好演したのが永作博美、やるなあ凄かった。
畳の上に散らばった赤い便箋のシーンの永作博美、佐藤江梨子の演技は圧巻、扇風機の演出もたまらん。
コメディタッチなのが惜しいくらいの映画でした。
押し隠した狂気
みんなそれぞれ悪を背負い、それでも必死に何かを求める。
関わる度に、ギィーギィーと悲鳴をあげる姉妹。
えぐい内容だけど、キレイな背景で。
空間はとても静かで。
まるで、押し隠した狂気が見え隠れするような。
「ゆれる」 に近いものを感じる
不快な馬鹿女
総合:45点
ストーリー: 40
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 70
佐藤江梨子演じる和合澄伽の、自分の力不足を棚に上げて全てを人のせいにする馬鹿丸出しの勘違い女。こういう人にたまに会ったことがありますが、かなりうっとおしくて嫌いです。彼女の演技を見て同じことを感じたので、演技としてはなかなかのものだと思いました。永作博美の演技力も流石でした。
ただし最初から最後までこの我儘勘違いぶりを見せ付けられたため、映画として正直見るのは不快で苦痛でした。そのため私にとって面白い映画とは言えません。この痛々しいまでの勘違い振りを、彼女の妹のように面白い見世物と感じられる人にはいいのでしょうけれど。
物語のほうは展開が前半でほぼ読めてしまった。佐津川愛美演じる和合清深の漫画と謎のバイト先。姉の書く自分勝手な全く返事を書こうという気にさせない手紙とか、やたらと手紙のことに関して時間がとられるといったことから、何がどうなっているのかすぐにからくりがわかってしまいました。だから最後には面白い素材である姉を踏み台にして、妹が羽ばたいていくのだろうなというのも想像出来た。そのため意外性がなかったことも、映画をあまり評価出来ない理由の一つ。どう考えても成功などするはずのない馬鹿女が主人公かと思いきや、実はそれを近くで見つめて物語を紡いでいるもう一人こそが主人公という二面性が、この映画の本来の面白いところだろう。でもそれが早めにわかってしまうとどうもね。
コメディ×ホラーな人間ドラマ
面白かったー。
まさにブラックユーモア。
まずスミカのダサい生き様が見た目にも顕著に表れててすごく面白かったです。
田舎もんをデフォルメしすぎなファッションセンスも最高におかしかったし、
それどこで見つけたのっていう絶妙に変な小物の選び方とか、
オーディションの時のズレたつけまつげとか、
細かい演出がスミカという人間を物語っていて、勘違いが体中から溢れでていましたw
他の登場人物たちもとにかくすごくわかりやすい。
このわかりやすさが壊れた人間たちをしっかりコメディー仕上げにしてくれていました。
内容に関しては、
お兄ちゃんの人物描写がもう少し欲しかったなあ。
なんでああなのか。
あとは萩原くんがカワイソすぎるw
最後に姉妹愛がかいま見えるシーンには救われました。
女は逞しくて恐ろしいです。
役者さんみなさんすごく良かったです。
サトエリちゃんのハマりっぷりは見事。
あのダサさもスタイルの良さ(首から下のバランスはほぼ黄金比!)あってこそ際立つのです。
永作さんはもう奇跡のかわいさ。
さすがの怪演でした。
佐津川さんの陰の狂気にも引き込まれました。
永瀬さんはとにかく方言が自然ですっごく良かったです。
役作りに興味が出て他の作品も観たくなりました。
あと個人的には小森監督がいい味出しすぎててかなりツボでしたw
舞台もみたかったなあ。
まるで「あて書き」されているかのようだった
本を読み、かなり入り込んだ作品だったので、
「映像化したら、どうなるのかな~?」とかなり期待。
配役を眺めて、
「これなら、大ハズレはないでしょう」と更に期待。
結果、ほぼ期待通りの、笑う面白さではないのですが、
少し斜めに、面白く、見ることが出来ました。
サトエリは、もうそのまんま。
「地でやってるでしょう」って思えるくらい
(ドラマ『相棒』でも、似たような役をしていました)。
妹の佐津川愛美さんも、作品のイメージと同じ。
途中のMっぷりも、最後の逆襲劇も、世界にフィットしていました。
その中でも、一番は、
お兄さんのお嫁さんを演じた、永作博美さん。
この役は、派手さが無い分、一番キーになってきます
少しでも、ぶれてしまうと、映画全体がパーになってしまう危険がでてきます。
そんな枷のある中で、行ってもいい触れ幅の上限までは
しっかりと行ききって、スパイス以上の役割を果たしていました。
私は、どうも癖なのか、
主役よりも脇役に眼が行ってしまうのですが、
この作品も、脇役こそが本当は主役の作品に思えてなりませんでした。
主役の二人は、既に居場所があり、
安心して見ていられますので、脇役の演技鑑賞に興じてみて下さい(笑顔)
憎しみ合うものの憎しみ切れない姉妹の痛々しさをブラックユーモアまじえながらシニカルに描き出した
サトエリが演技のできないワガママな女優役という何ともピッタリと言っていいのかわからない役どころがまたツボにはまるし、ブラックユーモアたっぷりでシニカルな人間ドラマの描き方が結構クセになる作品(>_<)最近の邦画にしてはよく出来ている作品だと思う(._.)
両親の死がきっかけで田舎に帰って来た姉と妹のバトルが描かれているわけなんだけどお互い憎み合っているものの憎み切れない人間の感情の痛々しさがよく伝わってくる(>_<)
女優になると言って東京に行って女優になれたのはいいけど、結局は才能がないと言われ売れない一様女優となってしまう。しかしそんなことを家族や地元の人たちには言えるはずもなく意地をはるんだけど、実家に帰って妹が目の前にいることでやつあたりをしてしまう姿にやるせない気持ちやくやしさってのが現れていてとにかく痛々しい(>_<)
変人家族の物語って結構好きなんだけど何がいいかって言うとちょっとありえないくらいのほうが人間性が強調されるから描き出せて気がするからなんだよね(>_<)どう観るかによってまたおもしろさも変わってくる。何しろハズレが少ないのもこの手の作品であることは事実(>_@)
影の主人公と言ってもいいを待子を演じている永作博美が第3者の視点で事態を見守るのがが何かがおかしいとは感じるものの自分は施設で育っただけにこれが一般の家庭なのかと自分で言い聞かせる姿がとても不器用で可愛そうな役どころを演じているのもまた注目すべき点だろう(>_<)
タイトル見ればわかるんだけどこの作品は両親の死への悲しみってのがほとんど描かれていない(._.)しかも観ている側もいつのまにかその事実を忘れがちになってしまい個性的なキャラクターにくぎづけになってしまうという何ともくせものな作品だよ(>_<)
永作博美の演技が良いです
前半はイマイチでしたが、後半になって少し面白くなりました。
終わり方も一瞬、これで終わりは嫌いなパターンだなぁと思ったら、ちょっとした仕掛けもあり、その辺は良かったです。
主役の佐藤江梨子も頑張ってはいましたが、永作博美あっての映画だったかな。
ほとんどスッピンの演技で、ホント良い女優さんになりましたねぇ(*´Д`*)
きっと助演女優賞にノミネートされる事でしょう。
佐藤江梨子もノミネートされる可能性はありますけどね。
おじさん的には、佐津川愛美というメガネの女の子が可愛かったです。
萌え〜って感じなんでしょうか?
う〜ん、なんだかロリコンぽいなぁ、、、
この手の映画は評論家に評判の良い映画なのかしら、、、
屈折した人間関係とエロというパターンです。
でもありがちな暗〜い映画ではありません。
そうならなかったのは、永作博美の力が大きいかな。
劇場に行く事もDVDを借りる事も、絶対に無い映画です。
そんな映画に出会えるのが試写会の楽しみです(^o^)
また観たいとも思わないし、他人に勧めたいとも思わないけど、けして悪い映画ではないんですよね。
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