腑抜けども、悲しみの愛を見せろのレビュー・感想・評価
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怪物、だーれだ
最初は何を見せられているのか理解出来ないが話が進むうちに表面の怖さから内面の怖さ人の悲しさに立ち竦む、女の強さ男のか弱さが際立つ後半は鳥肌ものこれってホラーかも、それにしても無邪気な狂気を垣間見せる妻役の永作博美が秀逸。
あーはははははぁ!怖い!怖ぁい!!(寒気) 自称女優の勘違い女が、...
あーはははははぁ!怖い!怖ぁい!!(寒気)
自称女優の勘違い女が、東京で認められない憤りを、実家に帰って妹にあたりちらすヒューマンコメディ。コメディですよ♪(^^)。
永作博美の怪演がぬるりと光る。こいつが喋るたびに居心地悪さがぐんぐん増していく、そのいやぁやめてぇ何もしないで感が痛キモチイ。
登場人物全員どーしよーもなく、でもラストで収まるところにおさまって、なーんか観後感よく劇場を出られる不思議。
「...気まずい」を撮らせたら世界一の監督、吉田大八さんの才覚が悪い方向に発揮されまくった傑作。
原作も面白かった!
でもこの物語を再訪したくはないかな(^^;)
人は秘密を持っている
中心人物・佐藤江梨子は女優の卵で、自分を天才女優と思い込んでいる。
が、実際には大した演技力もなく、泣かず飛ばず。
で実家に戻って来るが、女優への夢を断ち切れない。
この人は何でも他人のせいにし、あり得ないくらい高飛車である。
引きこもりがちの妹が自分をネタに書いた漫画が恥ずかしくて自分はうまく演技できなかったとか言いがかりをつけて陰湿ないじめをする。
また同級生に体を売って金を用立てたり、自分の借金を返すため100万を搾取したり。
腑抜けな兄(妻帯者)と肉体関係を持って束縛し、全力で自分をバックアップせざるを得なくしたり。
そんな中、若手有望俳優との文通を始め、その主役に使いたいと要請される。
喜んでいたが、実はこれは妹(郵便局でバイト)が架空のやり取りをしていただけだったww
さらに自身は再び姉をネタに漫画を書いて東京に送り、連載を依頼されていた。
妹は突然東京へ行くと言って、上記のことを暴露する。
姉は切れて殺そうとするが、結局妹に着いて行く。
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主役の佐藤さんが実にハマってた。ホンマにこんな奴なんちゃうん?って思うくらいに。。
そして無茶苦茶な割に何か憎めない。ニコール・キッドマンが演じる悪女のようだ。
妹の方が一枚上手で結局復讐された上にいい所を持っていかれるが、結局その妹に着いて行く。何故そうしたのかはイマイチよく分からないが、最後までやっぱり自立できず仕舞い。
両親を事故で失ってるのでこういう偏った人物が出来てもおかしくはないが。
まあ伏線が色々張られており、ジョジョに種明かしされていく感じなので、謎解きとして見てもおもしろいかもしれない。
この映画、内容はエゲツないが、全体として重々しい雰囲気は薄い。
頑張りやで天然でお人よしな永作博美(兄の妻)が雰囲気を和ませるからだろう。
こういう女性、好きです。というか誰でも好きだろう。ナイス演技力w
本谷有希子の妖しい闇
15年以上前、2007年の作品。本谷有希子の戯曲が原作。吉田大八監督の長編デビュー作品。携帯の電波が届かないような地方の集落に暮らす再婚相手の子供同士の兄妹と兄嫁の四人。兄の宍道(しんじ)(永瀬正敏:当時42)は山で炭焼きをして生計を立てている。その嫁は東京のコインロッカー生まれで児童養護施設育ち。30歳を過ぎて田舎に嫁いできた処女(永作博美:当時37)。最年少の次女は中学生の清深(きよみ)14歳(佐津川愛美:当時19)。そこへ、4年前に女優になると言って東京に行った長女の澄伽(佐藤江梨子:当時25)が交通事故で死んだ両親の葬儀で帰ってくるとこから始まる話。
ロケ地は本谷有希子の出身地の石川県。わたしが本谷有希子を初めて知ったのはテレビのバラエティー番組(セブンルール)。比較的最近のこと。5人ほどのコメンテーターの中でも群を抜いて教養がありそうで落ち着いた感じのスレンダー美女。奥ぶたえの暗めの円らな瞳にボーイッシュなショートヘアー。惹かれたのは一筋縄ではいかない妖しさを感じたから。この映画をみて、半分くらいはその謎が解けたような気がした。姉妹のキャラクターは石川にいた頃の若い彼女なのかも知れない。永瀬正敏演ずるキャラクター設定は古い家への苛立ちに溢れており、夫に従順なだけの自己肯定感の低い女性への蔑視も少々感じられた。
今はお色気プンプンの佐津川愛美が当時演じた愛らしいメガネ中学女子の闇の禍々しさは呪みちるの漫画の画風のそれと合わさり、今はとなっては垂涎モノ。このキャスティングはくせになる。戯曲が元のせいか、「お芝居」って感じがまた良い。若い頃の佐藤江梨子と佐津川愛美のバトルに立ち会えた喜びと本谷有希子の闇をほんの一瞬でも覗けた満足感にわたしは今浸っている。
おもろかった
妹が描いてたホラー漫画は実際の姉の実体験を描いた物語。夢のために作り上げたものが壊れたり、また追ったり、でもダメダメだったり。そんなところが自分と似ていると感じた。本当に人として不出来で、金銭面もダメダメ、人に良い様に使われてばかり、人に何かすれば心の中で見返りを求めてしまう。本当にこういった浅ましさは作中の姉とよく似ていると思った。絶望に絶望して迷走する中で最後手紙を破るシーン。あそこは一種の解放的なものに見えた。自慰行為の寸止めのような、ために溜めたものをぶっ放してから物語の最終盤へと行くのが堪らない。エンディングもチャットモンチーで、またちょっと先へ進めそうな思いになってしまう。感動ではないが、言語化できない心がときめくものがあった。
コメディに振り切った方がよかった?
…というのは素人考えでげしょうか。
舞台出身の方の作品、ないし、舞台作品を映画化したものって、必ずと言っていいほど「キーフレーズになる台詞」があると思うんだけど(『欲望という名の電車』あたりを使って例を引きたいけど、ネタバレになるので言えない、、)
この映画の場合は「お姉ちゃんは自分の面白さに全然気付いてない!」と、あともう一つぐらいあったかな。…が、そのキーフレーズにあたるんではないかと思うんです。
で、それらのキーフレーズを活かすんだったら、全体を思いきってコメディにしてしまった方がよかったのでは?と。一時期のクドカンみたいな。
でもまぁ、そこは本谷有希子さん(と彼女のファン)の好みなんで。何とも言えないっすね。
佐津川愛美さん。姉をネタにしたいという欲望を抑えきれない、小憎たらしさと愛らしさが同居した感じがいいですね。サトエリもいいですし。「姉妹の確執(ちょっと偏ってるけど)」っていうのは、テーマとしてけっこう新しかった気がします。
ただ、それ以外が、、 ちょっとセックスに逃げすぎな気がする。(永瀬→永作の)DV、不倫、性的放埒といろいろ盛り込まれてはいるんだけど、描きっぱなしでオチてない。 ただ、カゲキなだけ。
と、こき下ろしたようだけど、嫌いな世界ではないんです(DVはちょっと見るに耐えないけど)。姉妹ってけっこう、独特なんですよね。一番近くて一番遠い同性です(いや、、人によるか(笑))
ヨコゲキ(天才横山推薦)で観賞
ヨコゲキ(RCCアナウンサーの横山雄二推薦作品)での観賞。
女優を目指して上京した勘違いで自意識過剰の女、澄伽(佐藤江梨子)、以前澄伽の家での暴れぶりを漫画に描き本に載ってしまったために彼女からいびられている妹の清深(佐津川愛美)、澄伽と近親相姦してしまった兄の宍道(永瀬正敏)、兄嫁の待子(永作博美)の兄弟の間に起こるブラックコメディ。
両親の交通事故死により澄伽が能登に帰省したことにより揉め事勃発・・・さてどうなる・・・という話。
佐藤江梨子がはちゃめちゃで凄まじいほどのダメっぷり(褒めてます)。
佐津川愛美がオドオドする妹を好演。
永作博美が夫からDVとモラハラを受ける健気な嫁ぶりが好感。
永瀬正敏が佐藤江梨子に弱みを握られるダメ兄で嫁にモラハラとDVする最低男。
この4人ともおかしいのが見所。
吉田大八監督の初長編作なので、ここから監督の才能発揮が始まったんだという記念作でもある。
「お姉ちゃんは自分の面白さに気づいてない!!!」
「桐島、部活やめるってよ」がかなり面白かったので、吉田大八監督作品を全部見てしまうことを決意。その一作品目。
いや~面白かった!!これが1作品目!?これはこの後の作品が気になります!
クライマックスの妹・清深の大逆転劇は「桐島」の屋上のシーンを彷彿とさせました。宇多丸さんも似たようなことを言っていましたが、これは吉田大八監督の作風なのかもしれません。姉の文通相手(仮想)の映画監督、たぶん吉田監督が嫌いなタイプの監督ですよね!笑なんかディスリが見られましたよ!笑笑
さて、クライマックスで清深が叫ぶセリフ。「お姉ちゃんは自分の面白さがわかってない!」これはすごく心に来ました。これ、多分、観客にも向けられたメッセージですよね。姉・澄伽は自分には女優としての才能、さらにいうと主役級の女優の才能があると思っている。だけど、たぶんそうじゃない。姉が唯一出たドラマの役は道端で鍋で殴られて殺される役。いわば脇役。でも、すごくなじんでいたように見えた。それを見た澄伽はすべてを悟る。「そうか、私って『脇役』なんだ…」そして東京行きのバスに乗り込み叫ぶ。「ここから面白くなるんだからね!!!」
太陽がある。太陽から、日差しが降り注ぐ。僕たちはその中に入ることが人生において「かち」だと思ってしまいがちだけど。日差しがあれば必ず日陰もできるわけで。日陰があるからこそ日差しが際立つのであって、2つが互いに補完しっているのだと。だから、どちらが良いとか、そういったものではないと。当たり前のことかもしれませんが、そう思いました。
「桐島」に続いて「腑抜け」でも、僕たち「日陰族」に明るい未来を示してくれる吉田大八監督に僕は一生ついていきます!!!
ラストシーンのセリフ
佐津川愛美さん、すごくいいです。ここから、大ブレークはしないけども、任せれば必ず打って返してくれる役者さんだと思って、ずっと期待して追いかけています。声と、滑舌と、肝の座り方で、いつか大ブレークしたらいいな。
原作のあの凄みを映像に落とし込んで、田舎の閉じたあの感覚を体験できます。
台所で、落ちた米粒を踏んで、伸びる米粒の嫌な感触を描き切る馬鹿強い原作を、役者の配置を間違えず、よくぞまとめあげたと、感動します。
ラストシーンの佐藤江梨子さんのセリフが、映画として、ある雰囲気を変えずに何かを新しいものを吹き込んでいて、好意を持てました。
こっからが面白いと、このラストシーンのセリフを真似して、鼓舞したい時に自分に語りかける事があります。
何か、嫌悪感だけが残る、気味の悪い映画だな、こりゃ
永作博美だけがドライで、他はみんなウエットな感じて、凄く違和感。
近親相姦のちぎりに引っ張られる二人の心情には、どちらも正反対だけど、どちらにも共感も理解も全く出来なくて、気持ち悪い、モラルとしてではなく嗜好の問題だけど、全く受け付けられません。
コメディ的な面も滑っていて痛々しい。
特に最後は、なんだこりゃ、そんな感じです。
さとりえは女優には向かないと思いました。
妹の映画かと思いきや 姉の映画。 どうしようもない人間ドラマを合わ...
妹の映画かと思いきや
姉の映画。
どうしようもない人間ドラマを合わせた
コメディ。
永作博美さんと佐津川愛美さんがすごいよい。
主演の佐藤江梨子さんは
すごいハマり役だったし、
タイトル名最高です。
サトエリ真骨頂
何と言っても、サトエリの怪演が光る。
「これ素なのか?」と思わせるほどのイタイ女。
終始彼女が話を引っ張って行くのだが、
引っ張っているつもりなだけで何も進んでいない、
というコメディながら、
流れる要素はシリアスかつシニカル。
兄(永瀬正敏)、兄嫁(永作博美)、妹(佐津川愛美)と、
主要人物側の視点も独特で、
ありえないと思いながらも、何となく感情移入してしまう。
これは演出の妙である。
邦画にありがちな過剰かつ蛇足な演出が少なく、
(冒頭の永作の転がり方は過剰)
テンポもいいので(でも時々間延び)見易い。
ただ、タイトルと話がいまいちリンクしないし、
ラスト間際の「お姉ちゃんは、自分のおもしろさ」云々の件は、
ちょっと唐突かな。
石川県ロケ映画
カンヌ国際映画祭では『殯(もがり)の森』が話題騒然となりましたが、日本からは吉田大八監督・佐藤江梨子主演による今作も批評家週間に出品されていたのです(知りませんでした)。CM界ではベテランである映像監督だけあって随所に斬新な映像も見られるものの、長編映画としてはもうちょっと工夫が欲しいところでした。それでも本谷有希子(石川県出身)の原作が面白いおかげで、ブラックユーモアに浸ることができるのです。
舞台となるのは3月に大地震に見舞われた石川県能登。ロケは昨年の夏から秋にかけて行われたらしく、半年後に起こった災害を思うとなぜか懐かしく、タイムスリップしたような印象も受けます。舞台挨拶でサトエリが「私も阪神大震災を被災」したことと、「夢を持つ同級生も亡くなった」ことが原動力となって女優になり、「これからの復興が大切だ」と熱弁をふるっていました。映画を観る前にすでに感動してしまい、すでに目はウルウル・・・始まってすぐに、大地震のニュースを見ている永作博美の映像が映り、因縁めいたものまで感じてしまうのです。
この作品は、家族それぞれの確執や秘密めいたもの、ユニークな登場人物ばかりのせいもあり、家族の脆さをも描いています。主人公のサトエリが両親の急死の知らせを受け、田舎に戻ってくる。しかし、彼女が上京したのは素質もないのに女優を目指したためであって、自意識過剰とゴーマンさゆえ仕事もなく、実家から仕送りをもらわねば生活もできず、ついには事務所からも解雇通知を受けてしまうほど。オーディションを受ける回想シーンでは、感情のこもってない台詞により大根ぶりも発揮する・・・この下手さぶりが上手いのです。
実家では妹(佐津川愛美)との確執、血の繋がっていない兄との謎めいた約束、同級生(山本浩司)との関係が非常に面白い。妹は漫画家の素質があり、過去に、エゴに満ちた性格と暴力性を持った姉の痴態を鋭く観察し、それを克明に描いた漫画を投稿するが、見事新人賞を取ってしまうのです。女優業が上手くいかないのは妹の漫画のせいだとして復讐心に燃え、妹をいたぶり続けるサトエリ。さらに、兄嫁であるのになかなか家族に溶け込めない永作のコメディアンヌぶりがとてもいい(痛いところも多く、可哀想なのですが・・・)。
サトエリの能登弁はほとんど関西弁でしたが、兄役の永瀬正敏はばっちり。そして、佐津川愛美の演技が暗いんだけども、最も光っていました。また、山本浩司の今年の出演作は『それでもボクはやってない』、『さくらん』、『ユメ十夜』、『パッチギ2』、『しゃべれどもしゃべれども』に次いで6本目。彼のバイプレーヤーぶりが全開となってきました。さらに、明和電機の土佐社長も重要なところで出演(なんとも言えぬ役柄だ)。これはなんとも・・・
見事な不協和音を奏でる人間関係も、嬉しい知らせや悲しい人の死によって新たな展開を見せる。誰が一番恐ろしい性格なんだ!?と性格設定のどんでん返しのような場面まである。殺伐とした人間関係は都会だけの特権じゃなく、自然に恵まれた田舎にだってあるのだとブラックユーモアたっぷりに訴えてくる・・・凄い内容だ。もちろん、サトエリ、佐津川愛美のギリギリセクシーショットも・・・
特に得るものはない
サトエリが主演だが家族それぞれに味があって良かった。 萩原くんがなんであんなにお金持ってるのかが謎。
最後の姉妹喧嘩のあとバスに乗り込むさいメガネをなくしてなくてほっとした←どうでもいいか(笑)
まあ別に見終わって何かを得ることはないが作品としては面白かった。
佐藤江梨子が最高に上手い。背中だけでも充分にエロい。タイトルに負け...
佐藤江梨子が最高に上手い。背中だけでも充分にエロい。タイトルに負けない内容。ラストも最高にイカしてる。
「演技が下手で性格も悪く事務所からクビを言い渡されて」そうな顔してみせるのがすごい。この澄伽というキャラに佐藤江梨子をあてるのは、もらとりあむタマ子に前田敦子をキャスティングするような絶妙さを醸し出している。映像も内容も濃い。
サトエリ、永作博美さんを観るための映画。
壮絶な家族のバトル…。
姉の身勝手さと、兄の弱さと、妹の強さと、兄嫁の天然さ。
バラバラな家族が同じ屋根の下で暮らすと、とんでもない不協和音を奏でます…。
女優になると言っているわりに努力をしない姉のダメさ加減を、妹が影からこっそり見て漫画にする姿に、最終的にどっちか最悪なのか分からなくなりました…。
ラストの、赤い手紙がはらはらと舞い散る映像は、血が飛び散ったような惨劇を想像します。
吉田大八監督凄いです!
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