劇場公開日 2007年7月7日

「【孤独な男の哀しき物語。男は何度も”意図された不幸”に襲われても怒りや絶望を表すことなく、不幸を受け入れる・・。そんな男を、ずっと見ていた女性と手と手を握るラストシーンは、グッとくるのである。】」街のあかり NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【孤独な男の哀しき物語。男は何度も”意図された不幸”に襲われても怒りや絶望を表すことなく、不幸を受け入れる・・。そんな男を、ずっと見ていた女性と手と手を握るラストシーンは、グッとくるのである。】

2022年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■フィンランドのヘルシンキ。
 警備会社に勤務するコイスティネンは、友人もなく、孤独な毎日を送っていた。
 ある日、見知らぬ美女と出会ったコイスティネンは、たちまち彼女に魅了される。
 ところが彼女はマフィアのボスの愛人で、ボスの仕掛けた罠に嵌り、刑務所に送られる。

◆感想

・普通は、今作のようなストーリーであれば、コイスティネンは”美女”が行った事を見抜いているのであり、何らかの行動を起こすだろう。
 だが、彼は運命に身を任す様に、刑務所に送られる。

・彼が、唯一マフィアのボスを襲うシーン。だが、アッサリと返り討ちに・・。

<そんな、コイスティネンをずっと見守っていた、行きつけのソーセージ屋の娘。そして、町の黒人少年。
 マフィアの部下にヤラレタ、コイスティネンの手を握るソーセージ屋の娘。
 そして、その娘の手を握り返すコイスティネンの手のアップで終わるラストシーンからは、微かな希望が伝わって来る。
 短カットを積み重ねてのストーリー展開は、この時期のアキ・カウリスマキ監督のスタイルだが、テンポがあり、彼特有の独特の世界観を生み出しているのである。>

NOBU