しゃべれども しゃべれどものレビュー・感想・評価
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まあまあだった
この映画が公開された当時、映画秘宝のブラックさんが日本映画で1位に上げていた記憶があり、ずっと気になっていたのだけど、あまり面白くなかった。主人公が落語を志しているのだが、日常生活で何一つ面白みのない人物で、どうしてこんな人がお笑いを志しているのか意味が分からない。芸である前に面白いことだということがまるで伝わらない。
落語を楽しめるようになりたいと前から思っているのだけど、すぐに飽きてしまい、一度もまともに最後まで聞いたことがない。この映画で落語の面白さに触れることができるかと期待したのだけど、逆にますます面白くなさそうになった。
他の登場人物も、ヒロインは一体なぜいつもふくれっ面なのか、不器用なだけなのか、他の人物も表面的で厚みが感じられない人ばかり。
扇一本、舌先三寸
太一演じる主人公の売れない今昔亭三つ葉という噺家=落語家は人情に厚く金はないけれど憎めない主人公。
落語を話すシーンも教えるシーンも、好きな女の人に結婚を教えられて歌舞伎のチケットを渡して不味い弁当を食べる姿も個人的には凄く良い人だと思った。
その反面、説教くさくカッとなる性格の持ち主。
だけど、この映画の良さは八千草薫と松重豊だ。
主人公の祖母、八千草薫は凄くキュートで憎めないし素晴らしかった。
素直じゃない話すのが苦手な香里奈演じる十河。
十河が浴衣の縫い付けを八千草薫に教わるシーンで、ぶきっちょね!と言う。
浴衣を伏線に、ぶきっちょだと言う姿が堪らなく良かった。
湯河原さん役の松重豊も素晴らしく良かった。
焼き鳥で働いているシーン。
放送で選手の陰口叩いてどぉすんだよ。
そんな真似しねえよ、したくもねぇ。
嫌われたって個性だと思わせれば勝ちだ。
それは個性だと主人公に言われる。
その時お前はどうなんだと言い返す。
この掛け合いが素晴らしかった。
あの少年の関西弁を治すために落語教室を始める。
その少年に元プロ野球選手の湯河原さん野球を教えて少年が負けて押入れから出てきた時ひっぱたいてしまう。もちろん少年は泣いてしまう
1番心に残ったシーンは主人公が香里奈に言った言葉。
猫だってそうだろう。
懐いて見せなきゃ誰が撫でる。
お前一生そのままだ。野良猫だ。
そこですかさず湯河原さんが、お酒を注ぐシーンもぉ胸を打ちますね。
ほおずき市のシーンで彼の言葉に香里奈が泣くシーンも染みて女心を感じる。
かわいくない香里奈に自分を重ねて見てしまった。
面白い。よく考えて見なければ。
授業の一環でみました。
なんとなく粋な浅草の町並みと流れる空気感が素敵です。
落語をテーマにしたお話なので本当の落語が出てくるのですが、その魅力たるや。を知らされる作品でした。奥が深いです。
この映画にもでてくる”まんじゅうこわい”は私も以前から知っている小噺なんですが、、語り部の表情ひとつでここまで面白い話になるとは思いもしませんでした。
主役の国分さんと子役の森永悠希くんの楽しそうに小噺をする演技、二人の展開する小噺、本当に惹きつけられる魅力があります。
見終わったあともほのぼのほっこりする感じがあっていいです。
素直にみれます。
よく考えたら疑問しかわいてこないんですけどね。
この映画、イベントひとつひとつのシナリオはちゃんと書かれていてとおしで見るには違和感がないんですけど、
イベント同士を繋げるストーリーの描写はまったくなくてよく考えたら本当めちゃくちゃなんですよね。
たとえば急にぶちこんできたラブシーンオチ。
昨日好きな子にふられたばっかの三つ葉が何故か翌々日に前から気になってた!とかいってまったく惚れ込む要素ゼロの香里奈とくっつきます。
しかも急に一緒に住むかとかいってきます。おまえは初めて彼女ができたバンドマンかと。
おまえの落語・・・30点!(ここで突然の抱擁)は普通に笑った。
そもそも三人の生徒は三つ葉のところに落語を通じて愛される喋り方だかを身につけたくて落語習いに行ってたはずなのに、結局落語ひとつ覚えた以外誰も何も得てませんからね。
野球解説のおっさんに限っては落語すらおぼえてないし何の前触れもなく2軍のコーチ務めることになりましたからね。
散々「選手はバカとかいってる言葉そのまま解説でいえよ」って言われてたからてっきりそれを個性にした解説で売れるようになるのかなっておもったら知らないうちに転職活動してました。
三つ葉のとこに通った意味もなかったしただのひやかしのおっさんでした。
香里奈は香里奈でぶっちゃけ何がしたかったのか意味わからないキャラで言ってることも意味わからないし性格が悪いままです。
三つ葉は結局人間的な成長を遂げていませんし落語に対する姿勢も何も変わってないんですが
お酒飲んだら落語うまく喋れたのでよかったですね。ちゃんちゃん。
松林くんは気丈にみえて繊細な設定のはずだけど傷ついたりしょげたりするシーンはありませんでしたね。
というか松林くんと香里奈は素質がある伏線を序盤にはったんだからもっとそれを話に活かすべきだったとおもいます。
まあ細かいこと気にしなければふつうにおもしろいです。
落語に対する関心ももてますし見る価値はあります。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、当たり外れは風まかせ
映画「しゃべれども しゃべれども」(平山秀幸監督)から。
TOKIOの国分太一さん扮する落語家・今昔亭三つ葉は、
新作はやらず、古典落語しかやらないと決めている。
師匠には「数だけ増やしてどうすんだ、ばかが」と叱られるが、
それでも、古典落語を喋り続ける訳は、自信がつくような
「これだってのが、欲しいんです」が本心のようだ。
さて、最後にはある落語を自分のものにするのだが、
それを聴いていた師匠が、ぼそっと呟く。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、当たり外れは風まかせ」
最後の「当たり外れは風まかせ」が粋だねぇ、とメモをした。
しかし、ネットで諺を調べると、不思議なことにぶつかった。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の意味、使い方に違いがある。
ある辞書には「下手な者でも何度も試みれば、
まぐれでうまくいくことがある」というたとえ。
類義では「下手な鍛冶屋も一度は名剣/下手の金的」など。
一方、「何事も根気よく続ければ、
そのうちにうまくいくものだということ」というたとえ。
使い方は「下手な鉄砲も数打ちゃ当たるというから、
いつかは儲かることもあるだろう」となっている。
片方は「偶然・まぐれ・奇跡」のように捉えているが、
もう片方は「地道な努力、継続の大切さ」を伝えている。
この物語での使われ方は、後者だろうか。
私の理解は、前者だったから、ちょっと驚いたけれど、
あながち、間違いではない気がしている。
さて、あなたは、どちらだろうか。
ジャニーズものと思って観ていない映画ファン必見!
今年の邦画NO.1との呼び声高い本作をDVDで鑑賞。
個人的には『キサラギ』『東京タワー』『夕凪の街 桜の国』と共に今年の邦画ベスト5に入る1本。
キャラクター造型もしっかりしているし、落語の演技指導もいいし、脇を固める演技派の俳優陣もいいし、時代考証など美術にも違和感がない。
とにかく素晴らしいのは、大阪から東京に転校してきて学校に馴染めない少年を演じる森永悠希君の主役を食うほどの存在感。彼が出てくるだけで場が華やぎ、笑いが絶えません。特に桂枝雀の上方落語を話すシーンの形態模写は絶品で、助演男優賞確実の芸達者ぶり!思わず生前の枝雀師匠のお姿が思い出されて懐かしさと共に感動しました。ですが、今作にAランクをつけなかった理由もここにあるのです。
監督も明らかに主役の太一君より森永君に感情移入しているんですよね。彼のシーンがものすごく多い。太一君も落語シーンでカツゼツよくしゃべって、がんばっているし、決して悪くはないのですが、あまり3枚目という印象が無く、あくまでも男前演技をしてしまうので、俄然、森永君が目立ってしまう。
そして、シーン構成にも問題がありますね。ラストが、太一君の一世一代の落語シーン→森永君の落語→香里奈の落語→太一君と香里奈のラブシーンで終わっている。ここにジャニーズものの限界を感じます。本来は、森永君と香里奈の落語→太一君の落語で一気に盛り上がって、二人の恋の予感を感じさせるような会話で終わる…というのが正攻法だと思うのですが、太一君の落語シーンが早すぎて、その後の森永君の落語にかき消されてしまう。そしてクライマックスは二人が抱き合うまで描いて恋愛映画のラストのように終わってしまう。若い観客層を考えてのことでしょうが、正直、勿体無いなあと思います。
また、細かいですが、元野球選手の湯河原が、解説に復帰して生放送でバカアホ言って、受けるけどおろされる…みたいなシーンが観たかったですね。彼に感情移入してたんで…。
でも、本当に観る価値のある素敵な作品です。
今後、森永君は要チェックだな!
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