しゃべれども しゃべれどものレビュー・感想・評価
全16件を表示
ほっこり
寄席に行きたい
火焰太鼓
魅力がない役を魅力的に演じるのは難しい
国分くんの演技は観るの初めてかも。難しい役どころで頑張りはすごく感じた!努力賞!ヘタではないのだけど、頑張って演じてるのが(悪い意味で)ヒシヒシと伝わって来て入り込めませんでした。
香里奈の役どころも美人だけが特徴で、可愛げが全く伝らず。すごく上っ面で本来なら似ていて共感出来ると思うのですが全くありませんでした。
魅力がなく下手な噺家を演じてるのは分かってますが、まんまで魅力がないし本当に下手だなと。同じような売れない噺家の落語を聞いた事が数回ありますが全然違う。
中途半端を演じるのはとても難しいんだろうなと思いますが、さすがにこれでプロの噺家?と思いました。
最後の落語はおもしろかったですが、本来の国分くんらしさが出ててるからこそのおもしろさでした。
他の職業の役と違って、噺家はごまかしが効かないなと思いました。
国分ファン限定映画
日本映画によくある、取り留めのない退屈な映画だが、結末があるだけまだましかと思ったが、むりやり感の強いお粗末さと、感情のこもらない国分の演技にしらける。
仏頂面で、いつもツンケンした性格の悪い女の子を変えるには、よほどの切っ掛けがなければならない。誰もが「なるほど」と思えるような強い切っ掛けがあってこそラストシーンは感動的になり、生きて来るのだが、その切っ掛けが弱すぎるため「どうせ一時的な気紛れで、またすぐに元の性格に戻ってしまうだろう」という不安を残して不完全燃焼で終わる。
客が帰ってしまうほど下手な二つ目の落語家が話し方教室を始めるという無理。プロ野球の解説者をなめているし、お忍びで、こんな教室を見つけてきてレッスンを受けようとする無理。
たとえ非現実的な場面があっても、演出や脚本で「もしかして、そんなことあるかも」と思わせることに映画のおもしろさがあるのだが。
えー、結局これって◯話なの!全く納得いかず。 国分演じる主人公、な...
しゃべらねばわからね〜
主役の存在感が...
太一くんの役作りには一途なんですね。落語の艶っぽい魅力に触れる作品
最近はアイドルというよりもオーラの泉の進行役としてとぼけた味の国分太一さんが主演している作品です。
ジャニーズ所属のタレントとはいえ、ステレオタイプの主人公の青春ストーリーとは一味違います。平山監督の演出は、夢を追いかける裏側にある苦しみと喜びを、地に足のついた視点で丁寧に描いていました。
落語という、若者文化の中心から外れた伝統芸能と、それを取り巻く下町の風景。これが、誇張されず、かつ、いい風景を切り取っているのがよかったです。でもね、十河五月役の香里奈さんは都電沿線にはなかなかいないタイプかも。
劇中披露される落語「火焔太鼓」は故・古今亭志ん生の持ちネタ。それを若き頃浅草や新宿の演芸場で鍛えた伊東四郎が披露するわけですから、ちょいと落語をかじったものなので興味のあるところでした。実は小地蔵の分身も若い頃は新宿の末廣亭に入り浸り、落語家の鞄持ちをしていたことがあるのです。
小耳に挟むところですと当の伊東師匠、なんと「火焔太鼓」を語る場面はテスト無しの本番であったとか。しかも長回しの演出でエキストラの方々を前に演じきった、というのですからたいしたもんです。さすが喜劇人。鍛えていますよ。ここが締まらないと、映画全体がチープなものになっていたところですね。
物語のテンポは落語の映画にふさわしく、独特の間があります。それは長回しを多用してつないでいった平山監督独特の演出によるものでしょうけれど、2時間弱の間、ずっと陽だまりの中にいたような、ホッとした気持ちにさせてくれます。心地いい作品です。
このゆったりしたテンポにホントに自分の気持ちを伝えるのが、下手な登場人物が絡むんとき、そのもどかしさが絶妙に共感できるのですよ。だからラストでつい自分の気持ちをポロリと告白するシーンには、クグッと感動しました。
それにしても香里奈さん、オーラの泉の出演で見せた笑顔とは裏腹に、本作では能面のような無表情な女性を演じきっていましたね。しゃべれない湯河原太一役の松重豊は、ホントへたくそな野球解説ぶりが、うまかったです(^^ゞ
自分だけでないのですね。自分の気持ちをうまくいえない人って。だからしゃべるのがへたくそってねぇ~自己嫌悪している人は、この映画を見れば妙に安心されると思います。落語好きではない人でも、しみじみ見れられますよ。そして原作にも感じる「さわやかな涼風」がこころを吹き抜けることでしょう。
それに対して太一くんの落語も、撮影が進むごとに上達していったのがよく分かります。30分の大ネタを途中シーンは飛ぶもののオチに至るまで全編演じきっておりました。(実は撮影ではカットなしだったとか。)ちょっと見ただけで、劇中の主人公と同化して、これは相当語り込んだ努力のたまものに違いないと思えました。一生懸命熱演している高座の太一くんを見ていて感動しましたよ。この人、ホント役作りには一途なんですね。
これを観て、落語の艶っぽい魅力に触れるファンも多いのでは?
ベテラン、伊東四朗の落語もさすがでしたが、子役の森永悠希のこまっしゃくれた噺家っぷりは見事。何たって手本にした枝雀師匠のアドリブまで完全に再現しているのです。 彼が演じた落語「まんじゅうこわい」ならぬ、「将来がこわい」子役さんですね
近頃希有な真っ当な日本映画
情熱だけはあるけれど、頭でっかちでまだ自分の芸を見つけられず思い悩む二つ目の落語家、古今亭三つ葉に扮した国分太一が意外な好演を見せる本作は、監督を筆頭に映画のプロフェッショナルが作り上げた、近頃真っ当な日本映画だ。
何より非常に丁寧に作られている。それぞれの事情を抱えながら三つ葉が主催する話し方教室に通う3人の生徒たちが、落語を通して殻を破ろうと悪戦苦闘する姿は、“あなたの物語”でもありうる。そして彼らを教えることで、いつしか自分に足りない部分に気がつき、三つ葉の芸が化けるまでを非常に丁寧に描いているので、終盤に用意された展開が素直に胸に迫るのだ。
それから、役者陣が皆好演している。落語を演じるシーンの撮影は順撮りだったそうだが、その甲斐あってか、国分が終盤に見せる「火焔太鼓」は、本物の噺家のようにさえ見えるし、国分を支える香里奈、松重豊、子役の森永悠希(桂枝雀のビデオが教材だったそうだが、生き写しと言っても過言ではない)が映画の中の登場人物になってしっかりと生きているのが素敵だ。また、大ベテランの八千草薫と伊東四朗がまた素晴らしい。彼らの存在によって、映画の品格が一段も二段も上がっている。
ともかく、1人でも多くの人に観てもらいたい温かい映画だ。
全16件を表示