「扇一本、舌先三寸」しゃべれども しゃべれども みきねこさんの映画レビュー(感想・評価)
扇一本、舌先三寸
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太一演じる主人公の売れない今昔亭三つ葉という噺家=落語家は人情に厚く金はないけれど憎めない主人公。
落語を話すシーンも教えるシーンも、好きな女の人に結婚を教えられて歌舞伎のチケットを渡して不味い弁当を食べる姿も個人的には凄く良い人だと思った。
その反面、説教くさくカッとなる性格の持ち主。
だけど、この映画の良さは八千草薫と松重豊だ。
主人公の祖母、八千草薫は凄くキュートで憎めないし素晴らしかった。
素直じゃない話すのが苦手な香里奈演じる十河。
十河が浴衣の縫い付けを八千草薫に教わるシーンで、ぶきっちょね!と言う。
浴衣を伏線に、ぶきっちょだと言う姿が堪らなく良かった。
湯河原さん役の松重豊も素晴らしく良かった。
焼き鳥で働いているシーン。
放送で選手の陰口叩いてどぉすんだよ。
そんな真似しねえよ、したくもねぇ。
嫌われたって個性だと思わせれば勝ちだ。
それは個性だと主人公に言われる。
その時お前はどうなんだと言い返す。
この掛け合いが素晴らしかった。
あの少年の関西弁を治すために落語教室を始める。
その少年に元プロ野球選手の湯河原さん野球を教えて少年が負けて押入れから出てきた時ひっぱたいてしまう。もちろん少年は泣いてしまう
1番心に残ったシーンは主人公が香里奈に言った言葉。
猫だってそうだろう。
懐いて見せなきゃ誰が撫でる。
お前一生そのままだ。野良猫だ。
そこですかさず湯河原さんが、お酒を注ぐシーンもぉ胸を打ちますね。
ほおずき市のシーンで彼の言葉に香里奈が泣くシーンも染みて女心を感じる。
かわいくない香里奈に自分を重ねて見てしまった。
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