劇場公開日 2007年4月21日

「いい雰囲気なのに、あまりにも説明不足」神童 ビン棒さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5いい雰囲気なのに、あまりにも説明不足

2024年3月28日
PCから投稿

天才ピアニストが成瀬うた(成海璃子)というのは解る。
だが、それ以外の説明というか、描写があまりにも乏しい。

ワオ(松山ケンイチ)が音大生を目指していたのは解るが、
そう優秀でもないと思っていたのが、実は主席になるほどだったり、
それでも、教師には認められていなかったり、
原作を読んでいない「こちとら」にしたらサッパリわからない。

映像も美しい。
ピアノ演奏のシーンも練習の成果だろう、実際に演奏しているように見え、全体の雰囲気を損なっていない。
何よりも成海璃子の自然で、透明感のある演技がすばらしい。

ナレーターなどの言葉に頼らずに情景のみで表現しようとしている事は、評価したい。
ノダメのように何でも「心の声」で表現しているのと異なり、音楽のすばらしさを自然と集まる観客などで表現している。
しかしバックボーンなどを含め、全てをそうやって表現できるはずはない。
説明的ストーリーを軽視するあまり 残念な事に、観客がついていけない作品となった。
雰囲気がいいだけに、少々残念に思う。

ビン棒