「第二次世界大戦終盤のドイツにて大戦最大級の空襲攻撃が行われたドレス...」ドレスデン、運命の日 みじんコさんの映画レビュー(感想・評価)
第二次世界大戦終盤のドイツにて大戦最大級の空襲攻撃が行われたドレス...
第二次世界大戦終盤のドイツにて大戦最大級の空襲攻撃が行われたドレスデン大空襲に翻弄されるドイツ市民の姿を描いたドイツ作品。
東京大空襲で10万人が亡くなったのに対し、ドレスデンでは15万人の市民の命が奪われたそうです。
そんな歴史上の大惨劇が今まであまり語られる事がなかったのは戦負国であるドイツが戦争被害を声高に語る事が許されない空気が永らくあったからだと言われています。
個人的には主人公=ヒロインの婚約者である若き医者の「戦争における自己の責任のもとに果たすべき事」と「他人を押しのけてでも自分とその家族が助かりたい」という欲望との間で揺れ動く様子には大いに共感できました。
一方、自分の恋愛感情の為に周囲の人間を裏切る事を厭わないヒロインの人物像には感情移入できませんでした、ただ生命の危機に瀕した時、後悔しないように自分の欲望のままに生きる人間像というのもある意味リアルなのかもしれませんね…
戦勝国による反戦映画は結局の所は戦争=殺人行為を正当化する文脈が見え隠れしてしまいますが、一般市民が蹂躙され続けるだけの戦敗国による反戦映画こそが本当の意味での「もう2度と戦争なんてごめんだ!」と反戦を訴えかけられる作品になり得るのだと思います。
東京、広島、長崎と大規模空爆を受けた日本人にとってこの作品は同じ立場で共感する事ができる映画なのではないでしょうか。
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