「目的と手段」ハンニバル・ライジング にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
目的と手段
猟奇的な殺人者の考えていることなんて分からん。
それは、いわゆる一般常識という物差しで
相手を見ているから。
「考えてごらんクラリス。殺人が目的ではないよ。」
そういう社会通念上の常識の範疇をはるかに
超えたDr.レクターの根本的な思想が
生まれたきっかけは、確かに戦争という幼少期の体験が
少なからず関わっていたとは思う。
しかし唯一の家族で、守るべき妹を無残にも
スープにして食してしまうような悲惨な体験を
通じたとしても、カニバリズムに駆られるとは
とうてい思えない。
そして「妹の復讐」という目的自体が
後のDr.レクターの思考回路とどうしても
結びつかない。
ハンニバルレクターならこう答えるね。
「本質を探れ。切望は何から始まる?」
ってね。
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