ラブソングができるまでのレビュー・感想・評価
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【”愛に戻る道”元ポップスターと、天性の作詞能力のある女性とのラブコメディ。ヒュー・グラントが魅力あるオリジナルポップを歌う姿や、若きヘイリー・ベネットの色っぽいポップスターも魅力です。】
■80年代に人気を博した「PoP」のボーカル・アレックス。今や過去の人となった彼の元に、ある日大人気ポップスター、コーラ・コーマン(ヘイリー・ベネット)から楽曲提供の依頼が舞い込む。
苦手な作詞に悪戦苦闘するアレックスだったが、たまたまアルバイトで植物の世話をしに訪れたソフィの鼻歌に心を奪われる。
◆感想
ー 私は、ロックが好きだが実は80年代エレクトリック・ポップも好みである。(あった。)で、今作のPVで完全に意識しているデュラン・デュランも好きである。(あった。)
故に、今作の劇中で流れる数々のポップソングは魅力的であった。
勿論、アレックス・フレッチャーを演じたヒュー・グラントとソフィー・フィッシャー
を演じたドリュー・バリモアとの、安定した掛け合いも面白かったモノである。
この頃の、ラブコメって、安定して面白いのである。それは勿論ヒュー・グラントとドリュー・バリモアの存在が有ってこそである事は、論を待たないであろう。-
安定のロマンティック・コメディ
歌、お話、配役ステキ
どうしてこの映画が好きか考えました。
おそらく
一度どん底まで落ちたことのある主人公が、
周りを見返してやろう、それには
こうしてこうしてこうしたら
また有名人で億万長者!
という楽天的な思考の持ち主だったから
だと思います。
過去に縛られて現在も苦しんでいるヒロインを
時に優しく、時に厳しく接するシーンは
初めヒロインのためでしたが、お互いにとって
良い方向に進んでいくのがよかったです。
辛い過去を乗り越えて、そのラストに
あの歌詞とメロディの素敵なラブソングでシメ。
最高の映画だと感じますし、観終わった後、
爽やかな気持ちになれて大好きです。
映画だからトントン拍子に話が進んでしまいますが、
過去の出来事に苦しんでいる方がいたら
この映画を観てみてほしいです。
異論を認めますが、笑えてほっこりする映画かと…
80年代のバンドの元人気歌手が、かえり咲くために人気女性歌手から新...
エロとブッディズムの融合。コーラ最高♪
冒頭からいきなり80年代のミュージックビデオで攻めてくる。映像は70年代をも感じさせるのですが、音は80年代ポップスそのもの。当時のニュー・ロマンティック・バンド“PoP!”ヒュー・グラントはボーカルとキーボードを担当し、YAMAHAのDX7と当時発売されたばかりのROLANDのD-50を弾きこなしていました。やがて落ちぶれていったポップスターのアレックス(ヒュー・グラント)はカリスマ歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から作曲を依頼され、偶然アルバイトに来ていたソフィー(ドリュー・バリモア)に作詞の才能を見出し、数日でコーラの新曲を作り上げるのです。
ギターを弾くシーンなら見たことあるけど、ヒュー・グラントがピアノの弾き語りをするシーンには驚かされたし、デモテープを作る際の多重録音も本格的だったのでびっくりです。PCによるシーケンサーにキーボードで基本のピアノ譜を作り、ベースギターを弾き、リズム音源を入れ、最後にはボーカルを録音する作業。そして二人の作曲と作詞の共同作業を懐かしく感じてしまい、ほこりをかぶっているQX3を久しぶりに動かしたくなってきました・・・
『ドリームガールズ』でも同じ曲の全く違ったアレンジを楽しませてもらいましたが、この映画のテーマ曲である「愛に戻る道」も凄かった。バラード調のデュエットソングがどうしてシタールやファズギターのイントロ付きのエキゾチックサウンドに変化するのか・・・コーラのセンスが光ります。終盤のMSGのコンサートでは大仏の巨大オブジェをバックに、彼女は腰をクネクネさせながら魅せてくれるのです。真面目な仏教徒が観たら卒倒しそうな踊りの連発。インド人が多数出演しているので問題なかったのかもしれないけど・・・
音楽は、コーラも楽しめるのですけど、アレックスもなかなかいい。特に落ちぶれた元アイドルである自分を自虐的に切なく歌う「僕と踊って」などはミュージックビデオの「恋は突然」と同様にインパクトがありました。ワム!風の曲もあったし、リラックスにこだわったり、音楽の小ネタも豊富。音楽は歌詞も大事なんだと痛感した映画でもありました。
【2007年4月映画館にて】
その世代にはくるものあり
MTVや、小林克也やピーターバラカンがDJをやっていたプロモーションビデオの紹介番組を食い入るように見ていた洋楽厨のわたしに、この映画は刺さった。
80年代のプロモーションビデオは(愛すべき)稚拙や誇張があり、時代を感じさせてしまうものが多かった。
いい曲なのに、ビデオのなかで、アーチストたちは、素人芝居をやっている──そんなタイプのビデオが、山ほどあった。
あのキッチュ感が、この映画やSing Street(2016)にはよくあらわれている。
ただし、曲そのものは、時代を超越している。
ボヘミアンラプソディで、黒背景の陰影のなか、メンバーが仰向いて、下目遣いに歌っている、今や誰もが知っている定番画があるが、もしそれが名曲のPVであることを知らず、なんの前知見もなく見たら「なんだこりゃ。へんな人たちだな」と思うに違いない──わけである。
映画はいずれも架空のアーティストを造形しているが、そのフォルムがとてもリアルだった。
興衰が、誇張されていて、よすがに公園で「地方巡業」のようなことをしているアレックスに哀愁があった。
当時、この映画ではじめてヘイリーベネットを見たが、かのじょが演じるアイドル「コーラコーマン」の造形も、しっかりしたフォルムがあった。
ブリトニースピアーズとミレーヌファルメールとカイリーミノーグを足して三で割って、釈迦に傾倒させたような感じ。有り得る──気がした。
映画は、架空を見せているにもかかわらず(コメディとはいえ)業界のリアリティを持っていた。さらに架空ゆえに映画用オリジナル楽曲をつくって、それをアレックスやコーラの持ち歌にしている──わけだが、それが有り得るクオリティを備えていて、感心した。
日本でいうとNANAみたいなものだろうか。このテの話は、アイドルやアーティスト、さらに彼らの曲を一から創造してしまうに等しい。
基本的にヒューグラントって顔立ちのほかはダサいひとだと思う。だけどそのダサさと弱腰を、うまく恋愛譚に載せると、爆発的に昇華される。その魔法をノッティングヒルやアバウトアボーイやラブアクチュアリーや本作でも見ることができる。
むかし洋楽ではブリティッシュインヴェイジョンという言葉があった。ビルボード(など)のヒットチャートをイギリス勢が占めてしまう現象をそう呼んだが、何度かあり、しばしばおこる現象だったが、一般にはWham!(ジョージマイケル)が流行った80年代の潮流を指している。
思うのだが、ヒューグラントは映画界のひとりブリティッシュインヴェイジョンだった。還暦(2021現在60歳)になったが、ハリウッドでアメリカ人に囲まれているヒューグラントを見るたび、わけもなくがんばれ!と思う。
音楽が楽しい
起承転結が明確のため難しく考えることもせず、素直に見れるいい映画!...
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