「媚びないワンコ」ボンボン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
媚びないワンコ
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犬が出てきますが主役はあくまでも人間、それも失業中の気弱で貧しいおじさんですからペットを飼う余裕などないのですが、舞い込んだ犬が血統証付の名犬なのでショーで名を上げ種付け料で一儲けを夢見る世知辛い設定、よくあるほのぼの癒し系の愛犬物語とは違ったティストの映画です。
ボンボンは犬の名前、一見、白い土佐犬のようですから不釣り合いな名前ですね、犬種はドゴ・アルヘンティーノ、アルゼンチン原産の狩猟犬。パタゴニアでは猪やピューマが生息しているから対する犬もいかにも強そう、そのために様々な犬種を交配して1947年に出来た歴史の浅い珍しい犬種です。プライドが高く凶暴性のある犬種で英国では散歩の時は口輪が義務付けられているようです、ご機嫌を損ねると飼い主も噛まれることが当たり前のように劇中でも語られますが犬好きも様々なのですね。
子役以外は素人を起用したとのことです、多少アップで逃げている感もありましたが監督の引き出し方も上手だったのでしょう。それにしてもボンボンを演じたワンちゃんは揺れる車の中でも毅然と正面を見据えたまま、こんな威厳のある老優のような媚びないワンコは珍しいですね。
愛好家が出てくる反面、山には犬食の人たちが住むと言う、それらしき村に徘徊する犬たちは痩せさらばえていて正視できませんでした。
主人公の人柄が良いのが救いですが概ね、お金の無いことに胸詰まらさられる切ない話、最後は雄犬覚醒、真反対の黒犬が好みだったとは笑えますが犬の下ネタですのでファミリー向きとも言えませんね、ご留意ください。
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