「リリー・フランキーさんが癌のオカンを看取るお話.」東京タワー オカンとボクと、時々、オトン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
リリー・フランキーさんが癌のオカンを看取るお話.
日本映画界になくてはならない存在。
リリー・フランキーさんの40歳ちょっとまでの実話です。
原作はベストセラーになり、それにより映画化された。
2007年。監督:松岡錠司。脚本:松尾スズキ
この映画は基本的に個人の半生と、若くして癌で亡くなったオカンへの愛が色濃く滲む
私小説的作風の映画です。
リリーさんは俳優になる以前、イラスト、コラム、ラジオ・パーソナリティ、ミュージシャンなど、
多彩と言うか何が本業なのか分からないマルチタレントでした。
何故この原作が200万部も売れて、本屋大賞を貰い、映画化された作品は
日本アカデミー賞の作品賞まで貰ったのか、私にはちょっと理解出来ない。
あまりにも個人的な話しだけれど、それが普遍的意味を持っているのかが、理解出来ない。
親孝行の話し。
お母さん大好きな息子の話し。
事実、母親役の樹木希林は素晴らしい。
(若い頃の母親役を樹木希林の実娘の内田也哉子が演じている)
オカンの宝物は息子の大学の卒業証書。
額に入れて上京して病室にも飾るほどです。
(確かに、シングルマザーが学費から生活費の仕送りや旅費などを換算すると、
数千万円単位の資金がかかっているのだ。
中退すると言う息子を、留年しても卒業せよと説得していた)
惜しむらくは感動的なエピソードらしいエピソードが無いんです。
オダギリジョーが良い人すぎるのね。
大学もサボりがちで雀荘に入り浸ってたけど、不良ってほどでは無い。
(裏切ったり、裏切られたり、しくじったりしないもんなのかしら?)
息子の住むアパートが徐々に広くなって、最後には一戸建ての豪邸を借りるまでに出世します。
でも樹木希林以外の人物は背景なんですね。
オダギリジョーさえ背景です。
オトン役は小林薫。
飲んだくれでオカンに暴力を振るう。逃げ出して筑豊の実家に帰るオカン。
長年別居しててもオトンが見舞いに来た時のオカン(樹木希林さん)の、
可愛らしさったらなかった。
18歳の小娘のようです。
(オカンは愛してたのね、オトンを!)
癌で10年近く患う母親を、最後は東京タワーを見晴らす一泊4万円の個室にまでに
入れてあげる孝行息子。
リリー・フランキーさんの原点。
母親をこよなく愛する息子の話しは、麗しいです。
病気の母親を看取り見送るストーリーは、共感を呼んだのでしょうね。
改めて拝読させていただいて蘇りました。留年してでも卒業しろ!
母だから必死、お金もかかってはいますが。
脚本を松尾スズキさんが書いてられるとは。wowowで女優さんとコントしている変なHなおじさんという印象しかありませんでした。👺