劇場公開日 2007年4月7日

「ニコラス・ツェーの出身地はブロークバック・マウンテンだった?」プロジェクトBB kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ニコラス・ツェーの出身地はブロークバック・マウンテンだった?

2020年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 やはり成龍は香港映画がよく似合う。しかもマイケル・ホイ、ユン・ピョウなど香港映画ファンにとってはそのキャスティングだけで楽しめる映画なのです。サンダル(ジャッキー・チェン)、フリーパス(ルイス・クー)、大家(マイケル・ホイ)は「盗みはすれど、殺人・誘拐・放火はしない」という泥棒三人組。サンダルはギャンブル狂いであり、盗んで儲けた金もすぐに無くしてしまうほど。フリーパスは女に貢ぎ逆玉を狙っているが、実は結婚していて妻を無視しているのになぜか妊娠させてしまった。妻と二人暮しで金庫破りの名人大家は堅実に貯金しているが空き巣に大金を盗まれてしまう・・・

 金に困った3人は赤ん坊を盗み出す仕事を引き受けてしまうが、一時的に面倒を見なくてはならなくなり、苦労して育てるうちに愛着がわいてしまうという、よくある設定の赤ちゃん奮戦記でもあります。そして、ジャッキー演ずるサンダルはギャンブルで借金ばかり。実家には借金取立てが暴れたり、落書きされたりして、近所でも迷惑がられている。『あかね空』の長男のパターンと全く同じで、爆笑問題の田中とは正反対です。

 カンフーアクションはそれほどでもないのですが、螺旋階段の手すりを滑り落ちるシーンだとか団地の高層階から降りるシーンはジャッキーの体を張った演技が見られます。また、乳母車に入った赤ん坊が現金輸送車に引きずられて、怒涛のカーアクションになるところも凄かった。極めつけは遊園地のジェットコースターなんですけど、凄いことをやってる割には迫力がなかったのが残念でした。

 この映画はどちらかというとアクションを期待するよりも、『赤ちゃんに乾杯!』、『スリーメン&ベイビー』などをイメージしたほうがいいような笑うための映画なのかもしれません。また、ジャッキーが愚かな泥棒を演じるのも珍しいけど、しっかりと更正の道を選ぶという展開も爽やかでよかったです。ただ、女性陣が軽く扱われすぎなのは気になりましたが、シャーリーン・チョイやカオ・ユアンユアンの二人は良かったです。

【2007年4月映画館にて】

kossy