劇場公開日 2007年2月24日

「一番哀しそうなのが金魚鉢の金魚とか。」さくらん 枢軸さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0一番哀しそうなのが金魚鉢の金魚とか。

2013年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

蜷川さんの映像美&椎名林檎さんの音楽。
吉原云々、花魁云々ありますが、とにかく魅せ方は綺麗。
蜷川さんの極彩色が映えまくり、でもどこか洪水気味。
艶っぽい林檎さんの歌声も、儚い花魁風情を絶妙に表現してた。

お話としてはうーん、、、3文以下。
この映画に花魁の気品も色気も感じられず。それもこれもストーリーの幼稚さ。
身請け話蹴って好きな男との逃避行って恋愛脳ド直球な展開が
遊郭吉原の格式も花魁の風格も、とことん安っぽく感じさせる。
廓の中の鳥ってそんなに奔放な訳ないでしょ(笑)

土屋アンナさんはカッコいいよ。
でもそれだけで花魁を演じるには無理があったんじゃないのかな。
花魁言葉のはまらなさったら無かった。
つっぱろうにも華がない。粋を感じられない。ただの粗野な女の印象が。
菅野美穂さんはもうね。さすがの演技としか言いようがない。
それでも何か、色気の方向が妖艶すぎて違うような気がしたけど。

この映画の結末を花魁の情念の末と捉えて観ては駄目。薄っぺらすぎるから。
ただ現代の恋愛ドラマに着物着せて駆け落ちさせてみました程度で調度よいのかも。

枢軸