「刺されたと思った永瀬正敏。秘剣“鬼の爪”で返り討ちじゃ!」さくらん kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
刺されたと思った永瀬正敏。秘剣“鬼の爪”で返り討ちじゃ!
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「今日からお前の名前は・・・千じゃ!」と、夏木マリの声が一旦湯婆婆と重なると、最後まで湯婆婆にしか見えなくなる。するとハクは安藤政信なのか?彼もまた名前を奪われて捕らわれの身となったのかもしれない。などと考えているうちに、カオナシはいつ出てくるんだという期待とともに、土屋アンナが妖怪に変身するんじゃないか妄想してしまいました。
吉原だとか花魁の世界を描いた映画は80年代に多かったような気がするのですが、21世紀に入り、新しい感覚で描かれたとしても、結局は五社英雄の世界と同じだ。巨大なセットが色彩感覚豊かな美術重視のセットに変わっただけのこと。むしろ、2年前のハリウッド製作の『SAYURI』のほうが、時代考証だとか不自然さのほうが大きく感じられ、ある意味新鮮に感じるのです。
この『さくらん』の監督は写真家の蜷川実花。カメラアングル、徹底した金魚のイメージ、そして彩度を自在に操って吉原内と外の世界に絶妙なコントラストを生み出している点など、美術的には評価も高くなるが、ストーリーや演技などの動きが必要な部分は全く面白味がない。繊細な心理描写が描ききれてないように思いました。不思議と濡れ場だけは見事に撮ってあったけど・・・後ろから乳を揉みしだかれるのが好きなのかもしれません。
豪華な出演陣もエンドロールで初めてわかったくらい、無駄な使い方。もちろんメインの俳優たちは楽しめたのですが、土屋アンナにしてもヤンキーぽい口調以外は上手くないことがわかってホッとしました。男優では安藤政信がよかったですね。いつもはひいき目に評価していた成宮寛貴のひきつった笑いは微妙でした・・・
【2007年2月映画館にて】
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