「吉原に幸多かれ」さくらん アマポーラさんの映画レビュー(感想・評価)
吉原に幸多かれ
吉原を描いたこの映画「さくらん」では「サクラ」がキーワードになっている。世の中には咲かないサクラもあるとしたものだが、「咲かないサクラがあるものか」と力強い言葉を残して、主人公の膝の上で上客の老人が死ぬ。金にあかして、時には金でサクラを咲かせてまで主人公を郭の外に連れ出そうとする見当外れの何もわかってない男たちを尻目にツッパリ花魁は結局「初心」を貫く。
監督や音楽や美術を担当した女性たちには心から敬意を表したい。画面いっぱいに炸裂するリズムや豊饒な色彩でこれまで見たこともないきらびやかでドハデな吉原を造り上げた。土屋アンナは花魁の色っぽさには少々欠けるが、その代わり、ありあまるほど美しい。
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