「オカルト・ホラー」悪夢探偵 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
オカルト・ホラー
血まみれの惨殺遺体が続々発見、捜査に乗り出した警察、どうやら自死らしいが死ぬ前に携帯の通話記録があるという、電話番号が解っているなら電話会社に聞けばわかる事だし、繋がるなら逆探知も可能なのにのに相手が一向に突き止め有れない警察の描写は何をやっているのかひど過ぎましょう。あげく女刑事、霧島慶子は自殺の裏に何らかの心理操作があるのではと疑り相手の心の中に入れる特殊能力を持つという悪夢探偵、影沼京一に捜査協力を依頼することに・・。
終盤になって自殺教唆の電話の主らしき謎の男が出てくるが言ってることも共感とか意味不明なので謎は謎のまま、男は病院にいるらしく、やがて息絶えて事件は一件落着だそうだがどういうことだったのか。
タイトルから探偵ものかと思ったが犯罪捜査の割には何のリアリティもなく、内容はオカルト・ホラーでしかありません。演出も疑問、被害者が見る幻想シーンは映像・効果音ともド派手で目まぐるしくて煩いだけで何が起きているか分かり辛い、会話シーンの多くは小声でボソボソだからこれまた聞き取り辛い。子供まで殺されるシーンは必然性が感じられませんが、犯人らしき男は平和ボケしている今の子供たちに真実を伝えたいとのたまわっていましたね。
自ら製作・監督・脚本・撮影・美術・編集・出演を兼ねる自主制作スタイルを貫く塚本晋也監督の作品だから世界観、作家性は強烈至極、インタビューで塚本監督は本作を、「お化け屋敷に入ったり、ジェットコースターに乗ったりするつもりで見てほしいですね。最後は、悪夢とも現実とも区別がつかない摩訶不思議な世界が待っていますから」。と言っていました、確信犯でした。
普通のおじさんには奇怪千万、謎は謎のままだし、最低最悪!、観たことへの後悔しかありません。