「悪夢」ダーウィンの悪夢 s_eyesさんの映画レビュー(感想・評価)
悪夢
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公開当時、環境問題にとても興味があり見に行きたいと思っていた映画。見てビックリ、環境問題を超越している。
お金で解決できない事。テレビで特番を組まれる、発展途上国の裏の話、と私は感じた。著しい発展に追いつかない人々の生活基盤。タンザニアへ投資をするのはヨーロッパで、悪い意味で、タンザニアはヨーロッパなしで、また日本なしで、成り立たなくなってしまった。
果たしてこれが幸せか?
自分で食べれもしない魚を延々ととり続け、早々とエイズで死ぬ漁師。行き場のない子供達は暴力の恐怖を忘れるためタバコ、クスリを吸い、夫を無くした女は身売りしまたエイズを広める。
前よりマシだと言って腐ってウジの湧いた魚の処理をする女性。そして、ヨーロッパに切り身として送られた、ウジの湧いた魚の残骸が、数百万の国民の重要な食料となる。
世界をまわす、重要な役割を担うタンザニア。こんなのは不幸せだ、と思っていない国民。国民は戦争、紛争を求めている。私達が見たところでまるで解決方法が思い付かない問題。
最後に、ヨーロッパの子供、タンザニアの子供の例え話をした男性の、ただただ言葉を落としていく姿が印象的だった。
どうしようもできない、だけど知っておかなければならない事実だと思う。幸せとは。国の幸せとは、国民の幸せとは。現実だと受け止め、当然だ、と思う人間が多すぎる。現実だと受け止め、「これが悪夢だと思える人々」こそが、この悪夢を止められるんじゃないだろうか。
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