「『スカイフォール』と並ぶ007映画の最高峰」007 カジノ・ロワイヤル 悠さんの映画レビュー(感想・評価)
『スカイフォール』と並ぶ007映画の最高峰
原作第1作目をシリーズ本家のブロッコリー家の手によって再映画化
大成功の要因は誰よりもダニエル・クレイグだ
このシリーズはその盛衰が俳優のカリスマ性に大きく依存している
ダニエル・クレイグは完璧だった
彼はコネリー,ダルトン以外の他の俳優が紳士的な振る舞いによって表現していた英国スパイを眼差し一つで表現した
別格のカリスマ性と表現力だ
彼が強敵と対峙するときは他の俳優のようにジョークで誤魔化しブラフを張るのではなく、ただ見るだけで
「お前をいつでも殺せるし、俺はお前をこれから破壊する」
ということを表現した
その危うい瞳が常に映画にサスペンスを供給し続けている
そしてその瞳が笑うと緊張がほどけ観客は安心してしまう
そうなるともう彼の虜だ
ダニエルの魅力が映画に訴求力を与え続けた
そんな彼が肉体的にも精神的にも追い詰められていくストーリーは007映画史上初の"成長"をジェームズに与えた
氷のように緊張が解けることはなく、常にジョークで誤魔化して修羅場を掻い潜るアル中の女好き諜報員になっていくのだ
映画を観る人はその壮絶なトラウマを植え付けられた瞬間を目撃するだろう
そこに心を動かされた
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