「どう考えても役者の力量にかかってる映画なのに…」椿山課長の七日間 77さんの映画レビュー(感想・評価)
どう考えても役者の力量にかかってる映画なのに…
ちらっと観た紅白が素晴らしかった西田敏行さん。お芝居観たいなーと思っていたらタイムリーに朝からTVでやってくれていました。
入れ替わりものをはじめとする別人格を演じる話が好きなのもあって設定もすごく惹かれる!レビューサイトのアベレージも軒並み高い!
と期待大で観たのですが…時間が経つのが長かったー↓
もー伊東美咲さん!!!!!!と成宮くん!!が、ひーどーい!!
志田ちゃんはさすが。w
こういう、演技力がものをいう話はミーハーなキャスティングは控えてほしい。ほんとに!!(切実)
原作は未読なのですが、このキャスティングでいくならもういっそのことアレンジしまくって美女(伊東美咲)が太ったおじさん(西田敏行)になるパターンが観たかったというくらい伊東さんのターンがもったいない。
頑張りはすごく伝わるしブロックサインのところはかなり良かったんだけど…でもフォローしきれない。
きっと笑って泣ける映画なのに、素材を殺してしまうお芝居でどうしてもシラけちゃう。たまに観るに堪えないくらい。
例えば伊東さんと成宮くんのくだり。「これ本当はやくざのおっさんと太ったおっさんなんだよねww」っていうのが醍醐味なはずなのに、同一人物感をまるで感じさせてくれないのでその本来の楽しみ方ができない。これが作中ずっと続く。
あと、大筋の設定はよくあるこういうお話の中でとっても個性的で大好きなんですが(実際の“あの世”はどうなってるんでしょうねw)、細かいところがちょいちょい引っ掛かる。
原作がどうなのか知らないからあれなんですが、「あまりに気の毒なので知ってきてください」にも「ん?」って感じたし、息子の前で節操なさすぎる母親と嶋田も設定上必要だったとはいえあんまりだし、椿山は椿山で子供置いて遅くまで飲みに行くしetc…で大団円もウルウルっとはきたけど手放しで感動できなかったです。あとタクトのくだりのスローはゴメンナサイ興ざめでしたw
監督と脚本とお芝居がちぐはぐというか、なんかもったいない調理法が目立つ映画でした。
素敵なおじいちゃんの出番が最後までお預けなのも残念だったなあ。
やりようによっては絶対もっとおもしろくなる題材だと思うので、違うスタッフやキャストでリトライしたら是非観てみたいです。