ラブいぬベンジー はじめての冒険のレビュー・感想・評価
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最初は「デブいぬベンジー」じゃないのか?と思っていたのですが、ストーリーが進むにつれ、愛くるしさ全開となりました。
初代のベンジーからは30年も経ってしまったこのシリーズ。21世紀に復活させたのはベンジー映画ならこの人と言われるほどのジョー・キャンプ監督。今回の話は、映画監督がベンジー映画を撮るためにベンジー役の犬を探しているという設定です。
人間の主人公コルビー少年は、胡散臭いブリーダーの父親の下で家庭内暴力、虐待されるという悲惨な生活を送っています。とてもペットショップとは思えぬずさんな管理。日本においても放置し餓死させた繁殖業者が告発されたり、管理不行き届きのドッグパークの事件などと、かなり話題になっているネタでもあります。そんな父親がある売れ筋の繁殖犬が雑種の子供を産んだことに腹を立てて、毛色の違うチビ(のちのベンジー)を捨ててしまうことから始まります。
ベロンチョ(シャギー)という捨て犬も加わって、動物保護管理局の人たちと追いかけっこ。この保護管理局のおとぼけコンビがまた面白いのです。よゐこが吹替えを担当しているのですが、彼らの関西弁が冴えていました。ドジっぷりは『ホーム・アローン』の泥棒コンビみたいだったけど、彼らの会話全てがまるでクーポンマガジンのCMのような雰囲気で笑わせてくれるのです。
ベンジーの母犬は多産が原因で病気になってしまうのですが、このあたりから涙腺がやばくなって、どうしても自分の家の犬が死んだことを思い出してしまいました。子宮に膿がたまるという病気も、あきらめたように横たわってる姿も同じで、つい重ねて見てしまう。母を思う子の気持ちは人間も犬も同じ。そして、父親の傲慢さからチビを守るために、迷った末にコルビー少年から出た台詞などは涙を流さずにはいられません・・・いい話だ・・・
フィンチおじいさん(声:永井一郎)がベロンチョの里親になるところも素敵でした。犬が自分の友達に里親を紹介するんですから、人間の知恵を遥かに超えています。
【2006年11月映画館にて】
よくある子供向け動物ものだが真面目な主題も含んでいる
総合:55点
ストーリー: 55
キャスト: 65
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 70
動物と人との現実的な話かと思えば、オウムが人の言うことを聞いて見張り役をしたりする知能をもっていたり、子犬が病気の母犬を救出しようと動いたり、空想と現実との狭間が中途半端。動物管理局の人は笑い担当で、使い古されたお約束ごとなネタを連発する。音楽自体は悪くないがあまりに多用されすぎで少々うるさい。全体に子供向けな作品で大人が見るには厳しいが、製作者の動物に対する愛情を感じるし動物の命や虐待問題も含んでいて悪くない。子供のいる動物好きな家族にはいいのではないか。
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