「犯罪者家族の悲劇」手紙 ライブラさんの映画レビュー(感想・評価)
犯罪者家族の悲劇
原作を知らないで試写会で鑑賞。
犯罪者家族の悲惨な生活を描いている。
兄が弟の進学の為に強盗殺人をして捕まってしまう。
兄には弟との手紙を唯一の支えとしている。
リサイクル工事で働く弟は人目を避けながら、学校の友人とお笑いコンビを目指す。
お笑いコンビを目指すもSNSによって諦めさせられてしまう。
恋人も出来るが、結局、犯罪者家族という事で別れる事になる。
家電量販店に勤めるも犯罪者家族という事がバレ、倉庫勤務に。
兄への手紙を書かなくなった弟にリサイクル工事から想いを寄せている女性がワープロを打って代筆する。
そして結婚し、子供も出来る。
社宅に住む家族にまた犯罪者家族としての冷たい視線が。
そこで、その会社の会長に「差別の国を探すんじゃない。ここで生きていくんだ」と諭される。
意を決した弟は兄に最後の手紙を書く。ずっと差別を受けて生きて来て、「子供が出来て差別を受けようとしている。だか兄を捨てる」と。
弟は被害者の家にお詫びに行き、兄が毎月詫びの手紙を書いている事を知る。そこで「弟から縁を切る手紙を貰って、自分が許されない事をしている事に気がつき、最後の手紙にする」と。
被害者から「怒りは収まらないが、もういい、お互い長かった」と話しをされ、泣き崩れる弟。
お笑いでピンになった友人に刑務所の慰問に誘われる。兄が服役している刑務所でお笑いを披露する。「兄貴はスゲー馬鹿で、東名を透明と思ってる」など笑わせてるが、「だから俺の兄貴ですよ。これからもずっと、俺の兄貴だから…」とお笑いをする。その言葉に終始、泣き崩れる兄。
これでもか、これでもかと犯人者家族の不幸に負われる弟。切なくなります。
でも「俺の兄貴だから」で救われた気持ちになります。
それから原作も読みました。原作はお笑いではなくバンドのボーカルをして、家電量販店の会長に諭されて、家電量販店も辞めて逃げてしまいます。そして慰問。声が出ないで終わります。これでは救いようがない気がします。
映画は初めて観た時に涙が止まらなかったし、DVDを買って友人達に観せても感動します。何故、そんなにヒットしなかったか解りません。もっと評価されても良い気がします。