劇場公開日 2006年10月28日

「B級だが、実は演出が巧み。」ホステル saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5B級だが、実は演出が巧み。

2015年5月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

こういうグロテスクなB級サスペンスホラーってよくあるんだけど、良いもの悪いものがあって、それは監督の手腕によるんだけど、これは良い。

無駄なシーンとかもなく、盛り上げ方が上手。監督に力があるのがわかる。
イーライロス監督はこういうグロいのじゃなくても、上手く撮れるはず。
本人が撮りたがるかどうかは別。
この人B級映画が好き過ぎるのがよく伝わるから、普通のは撮らないかも。

この映画を見れば、イーライロス監督のスキルだけでなく、映画志向もよくわかる。ホステルのロビーでタランティーノのパルプフィクションが流れてて、タランティーノ好きなのもわかるし、(サミュエルジャクソンがスロバキア語話してたのが面白かった)
三池崇史監督が友情出演してるのも、あー好きなんだなぁとわかる。
タランティーノも三池崇史の大ファンだしね。
タランティーノはイーライロスを気に入り、その後、自身の「デスプルーフ」や「イングロリアスバスターズ」に出演させている。ホステル2のプロデュースするくらい気に入ったらしい。

イーライロスのニューヨーク大学映画学科の卒業制作は「レザボアドッグス」のパロディーらしいし。好きなんだなぁ。相思相愛だな。
あと塚本晋也監督とかも絶対好きだと思う。

日本人描写は、1人が片言の日本語喋ってたのは、あーあやっぱそうなっちゃうかーと思ったけど、終盤の駅でのカナの行動は、ちょっとリアリティーがあった。白人女性だったら違和感あるけど、日本人女性だから違和感なかったもん。
イーライロスは園子温の自殺サークルとかも好きなんだろうな。

アムステルダムの風俗描写も俺が個人的にアムステルダムで体験したものと違ったりするから、きっとスロバキア描写もずさんな所があるだろう。てかスロバキアの人が怒ってきそう笑
こんな殺戮アートショーねーよ!スロバキアのイメージが悪くなるからやめろ!ってゆーね。

アクシデントで手錠が外れるところ。
これ手錠した事がある人ならわかるけど、手の一部を犠牲にすれば手錠外れるんだよね。それを知ってないとあーゆー演出はできない。こいつ本当好きなんだな〜と思わせる。
イーライロスは、親父がハーバード大学教授の精神分析医で、母親が画家。
それでこういうジャンル映画監督になるってのも面白い。

スプラッター映画は普段好んで見ないけど、演出が上手いので楽しめた。

saikimujin