「 はじめてミュージックテープなるモノを買ったのがローリング・ストー...」ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 はじめてミュージックテープなるモノを買ったのがローリング・ストー...

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 はじめてミュージックテープなるモノを買ったのがローリング・ストーンズの「イッツ・オンリー・ロックンロール」でしたが、そのときすでに彼はいなかった・・・

 どちらかというとビートルズ派であったため、ブライアン・ジョーンズの名前も知りませんでした。ストーンズといえば70年代以降しか知らず、『小さな恋のメロディ』でトレーシー・ハイドがミック・ジャガーが好きだったということや、自宅プール謎の死を遂げた男がいるという噂話しか聞いたことがありませんでした。60年代、70年代に若死にしたミュージシャンなんて、みんな麻薬が原因だろうという間違った知識しか持ち合わせていないので、この映画の内容には大変興味深いものがありました。

 60年代のロックシーンを象徴するようなギタリストだったこと、ジミ・ヘンドリックスと仲がよかったこと、恋人アニタをキース・リチャーズに取られてしまったことなど、Wikiで調べる限り、かなり忠実に描かれていたようです。「クマのプーさん」の著者A・A・ミランが住んでいた家を改築して、バンドメンバーとは離れてしまったブライアン。ミュージシャンにありがちな女好きやヤク中という人物像。わがままな性格も事務所やマネージャーを困らせ、建築業者たちも呆れ返ってしまう様子がリアルに伝わってきました。

 また、60年代のサイケデリックな映像を模したかのように、エロチック映像をコラージュにしたり、ドキュメンタリー風の回想シーンを多用したりして、当時の映画の雰囲気をも再現したのでしょうか、かなり凝った作りでした(いい、悪いは別にして)。あちこち飛んでしまう回想シーンなどもブライアンのラリった頭の中を表現したかのようで、音楽のことよりも女のことしか頭にないことがよくわかりました。

 あまりにもストーンズに関するウンチクが無かったため、結末は面白かったのですが、ストーンズの音楽をもっと使ってほしかったです。音楽使用料は高額なんでしょうけど、最初から売れない映画だという逃げ腰の姿勢で作ってしまったように感じてしまいました・・・

kossy