「英国マフィア」レイヤー・ケーキ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
英国マフィア
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プロットは麻薬組織の内部抗争、というより狡猾な親分にまんまと嵌められる忠義な子分の反逆という所か。監督はプロットというより主人公や仲間のキャラを人間臭くねっとり描きたかったのだろう、一風変わったギャング映画です。ダニエル・クレイグもボンド役の前なのでアクション控えめでタフでもなく今から見ると違和感となって邪魔をするのは致し方ない。
麻薬は儲かるからいずれ合法化されるとか取引は慎重で欲をかきすぎない、蓄財にも気を配り表のまっとうな稼業で偽装するとかビジネスマン気取りの主人公。
しこたま貯め込んだのだろうか、やばい稼業のストレスからか足を洗いたがっている設定で多少は堅気の観客にも感情移入しやすく考慮したのでしょう。
ゴットファーザーのようなドラマ性やバイオレンスを売りにするギャング映画は数多あるので毛色の変わった英国マフィアを描きたかったのだろう。
誘拐捜査や素人やくざとの取引など親分の無理難題に振り回される前半と事情が読めてからの波乱の展開、最後はよくある女絡みで足をすくわれる、バックにかかる「悲しき願い(Don't let me be misunderstood)」が見事に嵌りました。
落とし前をつけた後も精神安定剤に頼る気弱ぶり、そもそも裏稼業には不向きな男が足を洗おうとするのだがチンピラを甘く見たつけを負うはめに・・・、ねっちりしたギャング映画だと焦らされたがそういうことだったのねと納得。
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