「超演技派俳優の趙無駄使い」M:i:III とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
超演技派俳優の趙無駄使い
ホフマン氏の悪役ぶりには鳥肌が立つ。なのに、小物感満載のラスボスを他に設定しているから、話が尻つぼみになってしまった。しかも、ホフマン氏とラスボスとの”物語”がない。突然消える。ええええええええええええ。契約切れで急に話を変えて、小物をラスボスにもってきてしまったかのような…。
ジョン・メイじゃなかったエディ・マーサン氏に至ってはあれだけ?なんで彼を使ったんだ。
『ゴーストプロトコル』の二クヴィスト氏の時のもったいないと地団駄踏んだけれど。
物語は、緊迫していてぐいぐい押してくる。
アクションも、
MI:1の宙づりやエレベーターを思い出す場面、
MI:2のルーサーの橋の攻撃を思い出しちゃう場面もある。
『ゴーストプロトコル』のドバイの振り子の原型みたいな場面もあるし。
物語だって、
オチにつながる人間関係は、MI:1や『ローグネイション』を彷彿とさせるし、
最愛の人を救出というのはMI:2だし。
エピソード的には、パーティでの変装ってMI:1だし、
バチカンを歩く姿は、『ゴーストプロトコル』の玉ねぎ宮殿を思い出すし。
人も、あの若い仲間は、MI:1の頃のイーサンや早々に殺された相方を思い出す。
トム様やレイムズ氏とか、相変わらずいい演技されているし。ペック氏はちょっともったいないけれど。
と、このシリーズファンにはおいしくてかつ、シリーズ重ねるごとにバージョンアップされている場面が満載。
物語も、1度目は先の見えない展開とアクションにハラハラしながら興奮し、
2度目以降は、ラビットフットを欲しがっているのは誰なのかを頭に置いて見ると、登場人物の駆け引きにぐいぐい引き込まれる。
かつ、上海のエネラルドグリーンは『ブエノスアイレス』を思い出し、色彩に酔える。
と、手放しでほめちぎりたいのだけれど、
物語の集約が、尻つぼみ。
しかも、電気ショックや素人の活躍とか、あまりにも現実離れした展開に唖然。
脚本書き直して、取り直してほしいよ。