鉄コン筋クリートのレビュー・感想・評価
全30件中、1~20件目を表示
この作品は奇跡
松本大洋の同名漫画が原作。
監督が何年もほれ込んで作っただけあって、原作つきのアニメとしてはもはや奇蹟といっていい出来だと思う。
私自身、この原作大好きでアニメ化すると知ったときにはかなり抵抗を感じたが
杞憂だった。
アジアってひとくくりにしちゃったほうがいいくらいのカオスな世界観、やたらときついパースの付いた不安感をあおるようなカメラワーク。
ストーリーが多少変えてあろうがこれはまさしく大洋ワールド。
どう見てもメジャーにはならない映画ではあるが。大洋原作を映画にするなら
鉄コンが限度かなあ。最近のは独特すぎて付いていけなくなってしまう。
それにしても、シロの声を担当した蒼井優には驚いた。
彼女の声だとはほとんどわからなかったしあのしゃべり方!声まで見事に演技してのけてすごい女優さんだと思いました。
『帝国少年』やプペルの背景を担当した人達(誰だか知らない)が同じ流れだと思う。
CGとVFXを多様したアニメだったが、背景の町がスチームパンクしていて、独特の世界観を醸し出している。背景は『帝国少年』やプペルの背景を担当した人達(誰だか知らない)が同じ流れだと思う。また、『アキラ』に影響を受けている事は容易に理解出来る。
『浦安鉄筋家族』のスタッフと同じと長い間誤解していて、この映画のスチームパンクした街が、浦安だとずっと思っていた。だから、『子供の城』をディズニーランドだと思っていた。
『鉄筋』が同じだけで、全く別物だし、ガード下の背景は完全に『有楽町』だ。しかし、題名に同じ名詞が付けられている。だから、この街は『浦安』をモデルにしていると僕は偏見を持つ。
工場プラントと江戸川に渡る東西線の橋。そして、その橋の南側にはディズニーシーの火山が見える。
僕は、浦安の工場プラントで、高圧ガスの充填作業に従事した職歴があるが、浦安は地獄の様な街ではない。但し『青べか物語』の様な風情は全く無いが。
原作未読だがぐいぐい引き込まれた
劇場公開時鑑賞。
主役二人は文句のつけようがないが、特に蒼井優だと言われても蒼井優だとわからない蒼井優は凄まじかった。
独特な絵柄や現実とは少しずれている世界観も一度受け入れてしまえば、それ以外は考えられないくらい当たり前に思えてくる。
アジカンの主題歌もよく聴いてました。
クロとシロの声優がこの2人で良かった❗️
この映画をcheckしてから約2年(?)ぐらいかかってついに観れました❗️
この2人の声がすごい合っててストーリー感も主題歌もこの映画とマッチして良かったです❗️
松本大洋ワールド炸裂
作画が独特で、好みが別れそうですが、
松本大洋ファンにとっては、「これぞ」という作品です。
「怖そうで観ていない」という方が多いですが、
バイオレンスなシーンはあるものの
目を覆うほどのグロテスクなシーンはありません。
是非一度観てみてください。
退廃的で暴力的、アンダーグラウンドを詰め込んだ"超"個性的な世界観がハマる人には物凄くハマります。
あと、なんと言ってもセリフがかっこいいんですよ。
素朴なのに最高にイカしてるんです。
かっこいいんです。
ストーリー的には終わりにかけて緩やかではありますが、
2006年にしてのこの作画、ぬるぬる動くアニメーション、
圧巻です。
町の変化に翻弄されるノワールもの
子供が大人相手に冒険するんだろうくらいに思っていたら、普通の人々の営みが広がる下町が舞台なのに、血と暴力の中に身を置くノワールものだった。
住む人や仕切る組織や産業が変わるなか、町を支配しているつもりの荒くれ者がその流れに翻弄されている。闇も光もあるこの町は、このままどんどん色々なモノを飲み込み変化して行くんだろうし、誰も完全に支配することは出来ないんだろう。身を滅ぼす前に逃げ出した人たちは正しかった。
10年以上前にこんなアニメ作らてたのか!
あの漫画が色がついて 動く というだけで期待する。が その分 がっかりしたり、原作をだいぶ変えたりしてしまう事が多い中 これは見事だった
ただ、冒頭に声優の名前はわざわざ出さなくてよいのではないか。それでも シロの声は素晴らしかった。
10年以上前にこんなアニメ作られていたのか
劇場には 当時のインタビューやら記事も掲示されていて、監督曰くシティオブゴッドにも影響を受けたそうで、たしかに、似ている世界観だと思えた。
子供たち病みまくり闇映画
ざっくり言うと両親のいない二人の子供が街で大暴れ的な話なんですが、子供たちが映画の2/3はだいたい狂ってる。
.
例えばシロの場合、元々ちょっと発達障害ぽいところがあるんだけど、それが命を狙われた途端悪化。追われてるのに全く歩けずブツブツなにか言ってるだけでイラつく。
.
なのにクロのピンチには急に正気に戻って便投げつけたり、と思ったら高いところから飛び降りた瞬間着地に失敗しまた使い物にならなくなる。
.
またある時は動くなと言われたのにリンゴの芽生えてるかな!?って走り出す。その元気あるならさっきちゃんと逃げろ??.
.
ちなみにこんなシロの声優は蒼井優でなかなか良かった。
.
クロの方も途中からサイコパス状態。まぁ声はニノでしかなかったけどかっこよかった。
.
一瞬だぞ。よく見とけ。
よく見ましたか?かっこよかったですよね、あのシーン。何回も見ました。何回も見ちゃいますよほんと。
鉄筋コンクリートってのはよく出来た組み合わせなのです。めんどいのでうぃきぺでぃあーからコピペしまふ。
※※※※※※※※※※※※
コンクリートは圧縮力に強い反面、引張力には弱く、一度破壊されると強度を失う。鉄はその逆で、引張強度が高い反面、圧縮によって座屈しやすいが、容易には破断しない粘り強さ(靱性)を持つ。この両者を組み合わせることで、互いの弱点を補い合い、圧縮力・引張力ともに高く、多少の破壊でも崩壊しない強度が得られる[2]。
鉄は錆びる(酸化還元反応)とその強度を失うが、コンクリートは高アルカリ性のため、鉄筋はコンクリートによって長期間錆から守られることになり、高い耐久性が得られるという利点もある[3]。さらに、石や木材を組み合わせる構造と違い、建築の自由度が高い[1]。
※※※※※※※※※※※※
前の文章を読むと、クロがコンクリートでシロが鉄筋なのかなって思いますが、後の文章を読むと、クロが鉄筋でシロがコンクリートなのかなってなりますよね。
まさに、鉄コン筋クリート。って感じ。
ほんとに好きなんです、鉄コン筋クリート。鉄コン筋クリート展にも行きましたし。テンション爆アガりでした。松本大洋の絵柄も大好きなんですけど、世界観とかキャラのほうが好きで・・・・・・ってゆーか、鉄コン筋クリートにしてもピンポンにしても、その絵柄じゃ伝えきれてない!って思います。映像化した監督が優秀なのかもって話になっちゃうかもですけど。作品集も最高なんですけどね。。。なんでしょう。
関係ないっちゃ関係ないですけど、クロはシロのことを無条件で世話して守ってますけど、今の若い子って、ドライだから、自分に得もないし、ってので、見捨てちゃいそう。偏見。
自分に得がなくても利益がなくても、守らなきゃならない人ってのは、守りたいし、守ってあげたいですよね。
独特な画が印象的
〈全体〉 素晴らしいアニメーション表現、そして背景や小物やキャラクター達のハイセンスなデザインが印象的。シロの表情と声優(蒼井優さん)の表現は癖になりそう。アクションシーンも爽快で気持ちがいい。
メッセージとしては、あまりシンプルでなさそうだが、さまざまな人間関係の間からにじみ出るものがあり、一言ではいいがたい。強いて言えば台詞で出てくる「愛」は重要そう。ありきたりに思えるワードだが、ここまで個性的な世界観だと、かえって新鮮に聞こえる。不安定で絶妙な人々の関係性が味わい深い。
〈ディティール〉 印象的な要素は多い。主人公の二人は頻繁に服を変え、その都度、魅力的だ。シロなど、大きな着ぐるみみたいな帽子をかぶっており、それがすごくいい味を出している。腰に装着したトイレットペーパーで鼻をかむアイディアも凄くいい。車で寝泊まりしているとか、パイプの鈍器とかディテールの妙は言い出せばキリがない。私が原作を読んでないこともあって、余計新鮮に面白がれた。
アクションシーンはちゃんとかっこいい。世界観のリアリティが低い分、主人公等の身体能力も凄いことになってて、予想もしない動きを次々見せる。建物に俊敏に登ったり、高いところから風に乗るように飛び降りたりするところは、この映画のアクションの特色だろう。
シロの描く拙い絵が素晴らしい。自然な、シロの心境が伝わる絵だ。狂ってイタチを描く様もグッと来た。ちゃんと何かに怯え、気が狂っているように見えたし、周囲の反応も自然ではなかったか。画中画をリアルに描けてないアニメが多い気がするので、貴重な成功例だ。
中盤から出てくるヘビと三人の殺し屋は面白かったが、殺し屋の振る舞いはやや残念だった。高速で移動できるのに、すぐに主人公達を捕まえて殺したりはせず、のろのろしていて違和感があった。そのまますぐに剣で刺したり殴ればいいものを、もたもたするせいで結局逃がしたり、負ける。シロに刺した剣も急所を外していた。偶然で勝てたはOKだが、手加減してもらって勝てた、ではしっくりこない。
イタチのアクションはその意味ではカッコよかった。すごいスピードで動けて、強いから勝ったという感じ。イタチのシーンだけは、殺し屋もまともに戦っていた。
パッと見ても背景の密度感や絵の質感など、生々しい感じに仕上がっている。
やはりこの映画は記憶に残る独特の色を持っている。
足りないからこそ人を超え、支えあうことで闇に落ちない生き方
ユジク阿佐ヶ谷、初見参。なかなかいい雰囲気のミニシアターでした。
松本大洋の原作マンガももちろん大好き、そしてこの映画もあの独特な絵と雰囲気を見事にトレースしてると感心。
ほんとに底辺な宝町で浮浪少年という最底辺の生き方をしながら、なんだかイキイキとした躍動感を感じさせる松本節、すごい。
シロに足りないネジはクロがみんな持ってる。クロに足りないネジは、シロがみんな持ってる。
クロはシロを守っているつもりかもしれんが、ワシには逆に見えるぞ。
ほんとにそうだったんだね〜と、心から納得させるストーリーは、ほんとに凄いな。
足りないからこそ人を超え、支えあうことで闇に落ちない生き方をしているシロとクロを観ると、ついさっき「最底辺の生き方をしながら」と書いた自分が恥ずかしい。
そしてネズミと木村、二人の深いところでの繋がり。さらにそれでもなお別れる不条理感。この映画観たら、ヤクザになる若者はいなくなるんではないの?
余談だが、3人組はNO5を思わせるロシア人だったな。
おまけ
シロの声は蒼井優だったんだね。
居場所
颯爽と街を駆け回るクロもシロも
実は全然自由じゃなくて
暴力をとりはらったら世界の中に自分の居場所を見つけることが出来ないし、
片方が欠けたら生き方が分からない
孤独な少年達だった
ふたりが離れてしまった時の
心の安定が崩れていく描写が上手です
退廃していく街のなかで
失われていく自分たちの居場所に困惑し、葛藤するクロとシロから
現代が抱える孤独な人間の
大量生産という実情を見た気がしました
アジカンの主題歌
最高に合ってます
何をとっても最高です
ピンポンの作者で確か映像綺麗だよな~って鑑賞。
どうしたらいいかわからないほど見入って最後までみて漫画も買ってどっぷりハマりました遅いけど(笑)
シロとクロ。二人じゃないとダメなんだ
色々考察させていたきました
何度見ても見飽きないし引き込まれます
すごいインパクトあるようなどぎつい濃さのキャラではないもののひとりひとりのキャラが個性的かつ人間味がある漫画作者らしいキャラで憎めないし愛おしいかっこいいという感情が出てきます
内容、映像、キャラクターどれも光ってます
緻密な町の作りには圧巻です
ここまで躍動感がちゃんと出てて
それに見合うごちゃついた町並みを映像で見れるなんて…!
ここまでのクオリティは今まで映画見た中で1番のクオリティです。1回目は整理できないと思いますが二回目三回目と視点を変えて見ることができ飽きのこない映画ですので1度騙されたと思って見て欲しい作品です
感想
シロとクロ。義理と人情。暴力と愛情。
シロとクロは2人で行動する。互いに離れるとバランスを崩す。二人で一人。シロとクロは一人の人間の心を表しているように思います。人間なんて100%綺麗なんてありえない。常に50/50で善悪がある。クロの力が増す分だけ、シロは弱くなる。シロの純粋さが増す分だけ、クロは抑圧される。
鉄筋=固い
コンクリート=柔らかい(固まる前)
良いだけの人間も悪いだけの人間も存在しない。
そんな感情全部含めて人は成り立って生きていかなきゃいけない話だと解釈します。
物足りない
原作は未読。
あまりハマれなかった。
孤独でいつか力で全てを手に入れられると思っている子供と奔放で不思議な子供が、汚れが渦巻く社会に憧れそれを象徴する街を舞台にした妄想話。と考えれば少しは納得がいくかもしれない。
見る前、見ている途中(主に前半)はかなり期待を維持していたが、段々お話運びが雑になっていき、終盤は延々とそれらしいイメージ映像を連ねただけになって何が言いたいのかわからぬままに映画が終わってしまった。ヤクザとかいつの間にかいい奴っぽい扱いをされてたが、序盤の汚い人間の雰囲気はどこにいってしまったのやら。そしてなにより結局主人公成長してなくね?最初と同じじゃね?なのに何故かメッセージ性というか、テーマみたいなものをセリフでずっとしゃべっている。シロとクロ。この二人のお話が一応のメインなのだが、二人が引き裂かれるきっかけにあまり腑に落ちず、そこからお話がだんだん納得がいかずどうでもよくなっていった印象である。
そして気になっているのが、時折出てくる超能力的なものはなんなのだろうか。殺し屋の三人組とか。作品の中のリアリティも欠けてしまっていると思う。クロの跳躍力はどう見ても人間じゃない。序盤のヤクザの事務所みたいなとこで起こるクロの暴力シーン、あそこはとても面白かった。この世界観で暴力を主軸の話にするなら新鮮かもと。…そんなことは起こらずな結末に。後半など特にそうだが、この広げた風呂敷をやっつけで畳もうと無理に描いたイメージ映像に、何か特別な深い意味をくっつけられる人は、それはもう素晴らしい一昨になるのではないだろうか。
悪いところばかりではなく、とても面白く見た所もいくつかある。とくに作画と演出と美術。これは恐ろしくよく出来ていた。これだけを見るのでも価値はある。あのレトロヒューチャーみたいな街など、あそこに行って見たい!と終始思っていた。ぐるぐる動く作画も新鮮で、同じ実験的な絵作りで有名なシャフトの「魔法少女まどかマギカ」より全然素晴らしいと思った。演出も、会話中も常に飽きさせない工夫を凝らしていて好感が持てる。それに付け加え声優陣もとても良かった。主演二人の二宮和也と蒼井優の演技は文句のつけようがない。
総合的に、いい所はあるものの、あまり自分には響いてこない雰囲気映画かなあと思ってしまった。
全30件中、1~20件目を表示