「ほろ苦い空気は監督の味か」父親たちの星条旗 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
ほろ苦い空気は監督の味か
『ハクソーリッジ』を鑑賞後、ずっと見たいと思っていた『父親たちの星条旗』を鑑賞。
共通点は多い。
・監督は互いにアクション俳優出身で、ワーナーブラザーズに人気刑事アクションのシリーズがある。
・主演と監督業を兼任し、アカデミー賞ほか、受賞作多数。
・太平洋戦争を題材とし、日本に配慮した内容となっている(日本でも公開されることを前提としている)
・史実に基づき、実在の人物にスポットを当てている(硫黄島に星条旗を立てたとされている米兵と、銃を持たずに多数のけが人を救出した看護兵)
・PG12作品と、R15指定作品
いままで興味を抱きつつも、ずっとスルーしてきた『父親たちの星条旗』。
『ハクソーリッジ』に感動した勢いで、ついに見た。
それにしても、対極と言ってもいいほどに、テイストの違う作品になっていますね。ほろ苦く、人生の皮肉を感じさせる、イーストウッド作品。この映画にも、色濃く彼の人生観が反映されているようです。
特に強く印象に残ったのは、車で移動中に、酔って国道をヒッチハイクしながら歩いていた戦友を、追い抜きざまにお互いに気づき、それきり今生の別れになってしまったこと。これをお互いの視点から実に印象的に映像化しているシーン。
人生なんて、こんなものさ。というような皮肉たっぷりの言葉が彼の口から聞こえてくるようでした。
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